第16編 2018/2/16

白くたおやかな右手が庭の隅に生えた。小さな芽のようだったのが何もせずとも伸び続けた。私は懐かれたらしく、近づくと足に絡みついてきた。

そろそろ身体が見えるだろうか。胸躍らせて庭に行くと手は裂けて萎びていた。

「調子に乗っているからよ」

返り血塗れの私の右手が吐き捨てるように呟いた。

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