第8編 2017/9/20
退勤時、特急電車を見送るといつも向かいの車線に君が現れる。
線路の下で砕けたときの汚れた制服姿のまま呑気そうに鼻歌を歌う。
近づけば消えるし、話しかけても微笑むだけ。そんな君を僕は消えるまで見届ける。
怖気づき、逃げたあの日の僕を君がいつか責めてくれると夢見て。
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