第2話 幼少期
「ぱぱ~!!!!」
私が仕事から家に帰るといつものように白夜が飛びついて来る。
「おぉ、白夜。ただいま!」
「おかえり~」
白夜はいま、2歳。
明日で3歳の誕生日だ。
白夜は今、仮〇ライダーというものにハマっているらしい。
2歳とか3歳児はアン〇ンマンとかそのようなものに興味が向くと思っていたのだが...
誕生日プレゼントはもちろん、今のライダー?の変身ベルトだそうだ。
その辺りは私はよくわからないので妻に番組名を聞き、私が店員さんと相談して買った。
明日は有給を取って休みを貰ってきたから朝からどこかへ出かけ、夜にプレゼントを渡すつもりで妻と話した。
その夜は白夜と風呂に入り仮面ライ〇ーについての話を聞かされた。
少し詳しくなったかもしれない。
「ほら、お父さん、起きろ!」
「ん?......んん~!ぷはぁ!おはよう仁美」
「出かけるんだろ?ほら起きる!」
「あぁ、すまない。」
そそくさと準備を開始する。
準備を終えて下に降りると白夜も準備万端で待っていた。
「おはよう白夜、誕生日おめでとう!」
「おはようぱぱ!!ありがとう!!!」
「よしよし、ちゃんとお礼言えたな。」
「もういえるもん!さんさいだから!」
「そうかそうか~」
よしよしと撫で、立ち上がる。
「仁美~?朝食は外でいいのかい?」
「そーするつもりー?」
「では、車のエンジンをかけておくよ。」
白夜を抱え、車のキーだけ持って外へ出る。
私の愛車はメルセデス・ベンツ Gクラス。
素晴らしい車だ。かなり高かったが。
エンジンをかけ、車内で妻と息子を待つ。
しばらく待つと2人が車へ乗り込んできた。
「じゃあ、行こう。出発だ」
車を走らせること約1時間。動物園に着いた。
「ついたぁ~!きりんさんとぞうさん見る!!」
白夜のはしゃぎようが凄い。
それだけ楽しみだったのだろう。
「さぁ、行くよ」
仁美、白夜、私の3人で並んで歩く。
そういえば動物圓というものに家族で行くのは初めてだ。
動物園に来ること自体も久しぶりなのだが。
小学生の頃、小学校の近くに動物園があったから遠足とまではいかないが弁当を持って動物園へ何度か行ったのを覚えている。
それ以降足を運んだ覚えがない。
家で修行ばかりをしていたからだろう。
いい思い出もない。
私には才能が無かったから尚更と言うものあるのだろうが。
だからこそ私は高校に入って即家を出た。
なかなかキツかったが仕事をしつつ学校にも通った。
大学にもきちんと通った。
そしてその大学で仁美に出会った。
あれは確か...セクハラ行為をしていた教授をぶん殴った時の事だったかな?
ぶん殴った後に幼少期からのストレスを発散するかのように罵倒しまくったのも覚えている。
まぁ、後悔はしなかったな。
翌日、呼び出された際には退学の言い渡しかと思ったのだがそこに居たのが仁美だったんだ。
ちゃんと学院長と殴った教授とあと数人、多分学院の偉い人達も集まっていたと思う。
最初に口を開いたのは学院長だった。
「さて鳳凰院くん、今日なぜ呼び出されたかわかるかね?」
もちろん、僕の中では分かりきったつもりでいた。
「はい。どんな処分でも甘んじて受け入れます」
「分かっておらんな。」
学院長はそう言って隣のソファに座っている教授を指差しこう話し始めた。
「今回、君はこれをぶん殴った訳だが...私としては教え子にそういった行為を強要するのはなんとも許し難い事だ。
今回ここに集まっているのは私、仁美、君以外は全員学院から去ってもらうことにした。」
仁美以外、誰も何も聞かされてなかったのか愕然とした顔をしている。
「なにせ、報告を私に伝えなかった阿呆、教授としてあるまじき行為を行う阿呆、それどころか一緒に混ざったことがある阿呆までおる。
あ、きちんと証拠まで手に入れておるからな。
弁明はなしで頼むぞ。
皆一様に阿呆であるが大学外で女子生徒が襲われても適わん。
それを決定してから君を呼ぼうと思ったのだが仁美が呼べというから呼んだのだ。
ここまでの話で分かると思うが...まぁ!君は今回のことについてお咎めなしというわけだよ。」
「え...?」
正直に言ってしまうと全く理解出来なかった。
なにせ私は教授をぶん殴ったのだ。
暴力沙汰である。
退学処分のうえで警察に突き出されるものだと思っていた。
「あの時の君はかっこよかったと思うぞ、鳳凰院くん。君の勇気ある行動が幾人もの女子を救ったんだ」
これが妻の声を初めて聞いた瞬間だった。
上から目線で喋る
「おっと紹介が遅れたな。私の娘の仁美だ」
「まぁ、よろしく頼むよ」
「あ、よろしく...お願いします」
そこからはトントン拍子で話が進んだ。
どうも友達と呼べる者が少ないどころか居なかったようである仁美はよく私と共に行動するようになった。
今はそんなことないが昔はもっと無愛想で偉そうなやつだったからな。
いつしか付き合っていて挨拶に行ったら学院長は快諾してくれ結婚をした。
...話が脱線しすぎた。
まぁ、僕の幼少期はつまらないものだったんだ。
この子にはそんな思いはさせたくない。
けど、鳳凰院の血が入っているならば必ず1年は道場へ入れなければならない。
次代の鳳凰を見定めるために。
もちろん、1年で辞めさせるつもりだし次の鳳凰なんかにしてやるつもりもない。
「...ぱ!」
あんな道場なんかに......
「ぱぱ!!!!!!!」
「ん?」
「もう、上の空で何を考えてたの?」
「あぁ、すまない。ちょっとね...」
しまった。ぼーっとしすぎたようだ。
「さぁ、行こうか」
「みてー!きりんさん!!!!」
「おぉ、でかいんだな。キリン」
「あら、お父さんキリン見たことなかったの?」
「いや、小さい頃に見た1度きりだから記憶があやふやで」
「ぱぱー!ままー!つぎこっちー!」
「元気だなぁ...白夜は...」
「ふふ、ほらお父さん頑張れ!!」
「え、餌やりなんて出来るのか!?象だぞ!?あれに餌やりするのか!?腕ごと持っていかれたり...」
「するわけないだろ!!普段真面目でしっかりしているのにこーゆーところはダメなんだな。」
クスクス笑いながら仁美が言う。
「仕方ないだろう?私からすれば未知なんだよ。
「ほら、この棒を使うんだ。」
こーやって...と言いながら林檎を棒の先に挟み、象の方へ近ずける。
すると象が鼻で林檎だけを器用に取り、食べた。
「ほぉ~器用なんだな、象の鼻。」
「ほら、あなたもやってみて?」
「えぇ...私もやるのかい?」
えっと...林檎でいいか。
これをここに挟むのか...
これでいいのか...?
うぅむ...
まぁ、いいだろう。
恐る恐る棒を象へ近づける。
やはり器用に棒から林檎だけを取り食べる。
ほぼ棒に触れないのだ。
すごいな、象。
「ぱぱー!見てー!!!」
「おぉ、一杯だな!」
「うん!!」
白夜はたくさん野菜とか挟んでいる。
あれ、いっぺんに食えるのか?
あ、食った。象ってやっぱすごい。
「ただいま~。あ゛あ゛...疲れた...」
「お父さん、まだメインイベント残ってんだからしっかりしなさい?」
「わかってるとも。夕飯の準備、手伝うよ。何すればいい?」
「その前に白夜をお風呂に入れてくれるか?」
「わかった。おーい、白夜ー!お風呂入るぞー!」
「わかったー!!!」
ちゃぽーん。
2人で湯船に浸かりながら話す。
「白夜、動物園どーだった?」
「たのしかった!!きりんさんおおきかった!」
「大きかったなぁー」
「ぞーさんすごかった!」
「すごかったなぁ」
「らいおんさんかっこよかった!」
「かっこよかったなぁ」
「あとねあとね............
長々と息子の話は続いた。
風呂から上がるともうほとんど出来上がっていた。
「あとは私がやっておくから仁美もお風呂入っておいで。」
「ありがとう、お鍋だけ気をつけてね。吹き出しそうになったら火を止めておいてくれ!」
「あぁ、わかった。」
盛り付け、皿を並べる。
唐揚げにハンバーグ、白夜が好きなおかずばっかりだな。
鍋の火を止め、中に入っていた肉じゃがをよそってそれもテーブルへ。
そこまでしたところで仁美が風呂から上がってきた。
「あ、ほとんど出来上がってる。ありがとう!」
「まぁ、特にやることもなかったしな。こんくらいはやるさ。」
「白夜!ご飯食べるわよ!!」
「わかったぁ~!」
仁美が白夜を呼び、3人が食卓についたところで食事が始まった。
「「「いただきます!」」」
「お、唐揚げ美味いな!」
「はんばーぐおいしー」
「肉じゃがも美味しいわ。さすが私」
他愛の話をしながら飯の時間は過ぎていく...
「「「ごちそうさまでした!」」」
「うん、美味しかった!」
「おいしかったー」
「ケーキもあるわよ?」
「たべるー!!」
「私が出してこよう」
冷蔵庫へ向かう。
ケーキは...あった、この箱かな?
冷蔵庫から出し、落とさないように気をつけながら机へ運ぶ。
机まで運ぶと既に皿とフォークが並んでいた。
箱からケーキを出し、蝋燭を三本差し火を点ける。
写真を撮り、ハッピーバースデートゥーユーを歌い白夜が火を消す。
仁美が切り分けて皿に乗せる。
「さぁ、食べましょう?」
「あぁ、紅茶を淹れてくるよ」
「ほんとか!?お父さんが淹れる紅茶大好きなんだ!」
「ありがとう。張り切っていれるよ」
キッチンへ向かいお湯を沸かす。
電気ポットいうのは便利な物ですぐにお湯が沸く。
文明の利器というのはすごいものである。
ヤカンに電気ポットからお湯を入れて火にかけ、さらに沸騰させる。
グラグラという効果音が正しいと言うくらいまで沸騰させる。
ティーポットへ茶葉を入れ、お湯を注ぐ。
ちなみにお湯はなるべく勢いよく入れるようがいいと教わった。
しばらく蒸らしたらポットの中をティースプーンで数回かき混ぜる。
ティーカップに茶こしを使いながら回し入れる。
この時なるべく濃さを均一にすることが大事だ。
食卓へ紅茶を持っていく。
「はい、お茶だよ」
「ありがとう。」
食後のデザートタイムはのんびりと過ぎていく。
「白夜、改めて誕生日おめでとう!プレゼントだ!」
誕生日プレゼントを白夜に渡すと早速と言わんばかりに開封をはじめた。
「あー!!これ!ほしかった!ベルトだ!!やったぁ!!!ありがとう!!」
箱から出したり電池を入れたりを手伝い、ついに息子がベルトを装着した。
「どお!ぱぱ!まま!似合う?!」
「おぉ、似合ってるぞ!」
「かっこいいよ!白夜!」
「わぁー!ありがとう!!!」
プレゼントに興奮した白夜も流石に寝付き夜も更けてきた頃...
「喜んでもらえて何よりだ。仁美のお手柄だな」
「ありがと、まぁ好みって言うかよく見ててあれ欲しいって言ってたからね」
「それにしてもさ」
ほんとに、今回のことは感謝している。
私一人ではこんなに喜ばせることは出来なかっただろうから。
「さて、私達も寝ましょう?」
「あぁ、おやすみ」
電気が消えた部屋に残るのは息子と妻の寝息だけだった。
そして、私の意識もすぐに落ちたのだった。
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更新です!
初めて1話で5000字近く書きました...
疲れた...笑
白夜くんの子供時代!
あんなやつでも昔はこんな感じだったんですよ!
可愛いねぇ...
で、また次回!
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