第21話 指名依頼


翌日、起床し着替えて部屋を出るとメイドさんが俺を迎えに来たところだった。


「おはようございます、朝食が出来ていますよ」


「毎朝ありがとうございます」


お礼を言って食堂へ向かう。

少し頭が痛い。やはり昨日の夜呑みすぎたな。


「おはよう、ハクヤ」

「おはようございます、ハクヤさん」


「おーおはよー」


ん?辺境伯が居ないな...?


「辺境伯は?」


「談話室で酒瓶抱えて寝てたから母様に説教されてる」


まじかあの人まんま寝たのかよ。

それで説教くらってんのかよ。

それはそれでウケる


「おはよー」

「おはようございますわ」


華音とエリスも起きてきたので朝食を食べる。


それが終われば今日もギルドへ向かう。

おそらくもう既に指名依頼についての件は受理されているだろうしな。


「んじゃ行こうか?」


「うん!」


昨日と同じ道をとおり同じ屋台だったり違う屋台だったりを見ては爆買いして《無限収納》にぶち込んだり味見して爆買いして《無限収納》へぶち込んだりしつつギルドへ向かう。


屋台の店主たちには辺境伯邸にいる謎の上客冒険者という噂を立てられながら。



ギルドへ入りカウンターへ向かう。

すると昨日の受付嬢がこちらに気づいたようでなにやら怖い顔をしてこちらへ手招きし始めた。


大人しく従っておこう。


「ハクヤさん、ギルドマスターがお呼びです。こちらへ」


何やら呼び出されてたらしい。


「まったく、どうしたら2日連続でマスターから招集がかかるんですか?」


「知らん」


「ハクが知らないならわかんないや」


まぁ多分内容は指名依頼の件だろうし知ってるんだけどな。


部屋の前に着くと受付嬢がノックする。

昨日と同じ声で「入れ」と聞こえてきたので入って遠慮なくソファへ座る。


「来たね。要件はわかっていると思うが...まったく、一体どーゆー事だ?」


「あ、やっぱり?」


「え?」

受付嬢が素っ頓狂な声を上げる。


「なんで昨日登録した新米冒険者に辺境伯じきじきに指名依頼が来る?」


「そりゃ頼まれたからだよ。息子くんに。剣を教えてくれってな。俺はそれを飲んだ。そしたらギルドから依頼を回すってことになったわけだな」


「はぁ、分かった。これでいいんだな?レヴィ、僕は少し休む。これの受領手続きだけ終わらせておいてくれ」


「わかりました」

受付嬢が答えるとメルクリウスはふらっと隣の部屋へ消えていった。


「では、指名依頼は受けるということでいいですか?」


「あぁ」


「受注完了しました。達成したらこちらの受注書へ押印をしてもらってから達成の報告へ来てください」


「わかった」


受注書を受け取り《無限収納》へぶち込む。


そのまま退室しギルドから出て辺境伯邸へ帰る。

今日からしばらくは外へ出ることもなくひたすら特訓だな。まぁ息抜きも大切だが今は時間が惜しいからな。


屋敷に着くと3人とももう待機していた。


「じゃあ、始めようか」


そうして特訓を始めた。

基本毎日、剣や槍などの武器の扱いや戦闘技術を教え、1番合ったものをその後教えていくつもりだ。

だが、そんなことよりも前にまずは体作りとしての筋トレや走り込みをひたすらやらせる。

腹、背、腕、足、腰、肩、胸、全身の筋肉を鍛える。

基礎体力に肺活量も必要だ。

走り込み。慣れてきたら布をマスクにでもして走らせるか。



そんな特訓を始めて2週間ほど経った時の話である。


最近どーにもアルフレッドの戦い方に違和感を覚える。

なんというか、剣が軽いような感じだ。

軽い?あぁ...文字通り軽すぎるのか。


「なぁ、アルフレッド、お前、なんでロングソード使ってんだ?」


「え?これしか剣の扱いを知らないからだが?」


俺は《無限収納》から何でもないただのバスターソードを出す。そう、かの偉大なる作品のクールな金髪くんの武器。


『Another』のゲームは世界中の会社が協力して作ってるからいろんなゲームの要素が盛り込まれてたりする。

これもそれの一種で《無限収納》に全種類武器を揃えてたからたまたまあったんだよね。

『Another』の中では武器種としてバスターソードっていう種類があった。

だからあれより遥かに強いバスターソードもたくさんあるし持ってる。


そんなバスターソードをアルフレッドに渡す。


「これ使ってみろ」


「なんだこれは?こんな大きな剣では戦えないだろう?」


「振ってみればわかる。たぶんお前とその剣の相性はいいはずだ」


「.......わかった」

渋々と言った様子で構える。


そもそもそんな重いもん軽々と扱えてる時点で頭おかしいと思うんだけどなぁ。

俺が見始めてまだ2週間なんだけどなぁ...


ブォンッ!


やっぱり。剣筋が見えなかった。今の。


「っ!!」


「やっぱりな」


「なぜ...?」


「なんでか知らんが、剣が軽すぎたみたいだな。だからだろうが剣に力がないように感じてな。これからはこれを使え。なに、安心しろ、戦い方はこれから叩き込んでやるさ。」


そんなこんなでバスターソードをアルフレッドは使い始めた。

ちなみにアルグレスは刀とかを使わせるつもりだ。


でエリスだが、こいつが問題だ。

ありゃバケモンだよ。うん。

なんだあれ。特訓に1番最初に適応したのもエリス、俺が教えてる武器全部極めかけてるんだよ。

才能に関しては兄二人をはるかに超えてる。

ただ魔法はからっきしみたいだ。


あ、それと魔法も教えることになった。

なびさんが。


さいきん静かだなっと思ってたらどうもオフにしてしまっていたらしい。

ONにして念話で俺も含めて5人で教わる。

ちなみに聞いているあいだも筋トレはさせてる。

もちろん華音にも容赦なくやらせてますよ?

まぁ、女子二人は少しだけ易しくしてあるが。


そんなこんなで俺も魔力制御の練習を始め、毎日、筋トレをやらせている時間に魔力制御の練習をする。



そんな日々を続ける。

ひたすら特訓。模擬戦も交えながらひたすらトレーニング。




気づけば特訓開始から1年が経とうとしていた。


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すいません!!

1日遅刻しました...

テスト週間で更新のことをすっかり忘れてました...


かなり時間を飛ばしました!

来週は色々と起こります。多分。


では、また来週もよろしくお願いします!

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