第4話 目覚めと誓い

武器のことは置いておいて《無限収納》の中身をとりあえずもうちょっと漁る。


あ、お金カンストさせて余ったお金をゲーム内ダイヤに換金して入れてあることを思い出したんだけどどうなってるんだろう。


[お金]で検索っと。


うわ、、、めっちゃあるじゃん。

てかカンストした所持金までちゃっかり入ってるけどこれこっちで使えるのか?


ナビさぁぁぁあーん


〈A:通貨は使えます。ただ、『Another』のGゴールドとは単位が違います〉


ナビさん違いとかもお願い。


〈A:承りました


白金貨=100000000円=1000000000ゼル

大金貨=10000000=100000000ゼル

金貨=1000000円=10000000ゼル=1G

大銀貨=100000円=1000000ゼル

銀貨=10000円=100000ゼル

大銅貨=1000円=10000ゼル

銅貨=100円=1000ゼル

大鉄貨=10円=100ゼル

鉄貨=1円=10ゼル


と、なります。〉


エッ!?

じゃあこの大量のGとダイヤはもしかして...?


〈A:そーですね。とてつもない金額になります〉


うわぁ、チートで云々の前にもう既に何もする必要が無いじゃんこれ...


……………?

ふと祭壇の下、俺の寝ていた部分の真下あたりからなにかを感じた。


下に飛び降りて(結構な高さだった)様子を見ると


「扉?なんじゃこりゃ?」


扉があった。


「よし開けてみるか!」


が...


「開かねえ!押しても引いても殴っても!」


まぁあとでいいか。

そんなことより起きない華音が心配だ。

全然起きないしそろそろ起こすか。

起こして起きるのか分からんが。



しかしこの祭壇階段の数、無駄に多いなぁ...

疲れることはステータス的にないんだろうけど下から見てるとなんか嫌になってくる。

降りる時は飛べたから良かったんだけどなぁ...



1.2.3.4.5.6.7......



あまりに嫌だったので気を紛らわすために数えながら登ってみた。



「ふぅ、登りきった」

長いよ、この階段。

2504段もあったよ。

どうりで目が覚めた時やたら周りより高いと思ったよ。


さて、そんなことは置いといて未だ目を覚まさないうちの眠り姫さんを起こさねばならない。



「おーい、華音さんやーい、そろそろ生きて下さーい。もう30分ほど待ってたんですけどーーー」


ゆさゆさと体を揺らしながら起こす。




眠そうにしながらもその少女はすんなりと目を覚ます。


そして少女は自分を起こした存在へ向けて華のような笑顔と共に挨拶をする。


「んん…んー...おはよう!ハク!」




思わず涙が溢れた。

華音が生きている。

これまで意識をしてきたことは無かったが気づいた。

俺は彼女が好きなのだということに。




まぁ意識したとしてとくに変わることはないだろう。と、信じたい。


「なんで泣いてるの?」


「いや華音が生きているのを目の当たりにしたら、な」


華音はこちらが泣いてるのもお構い無しに色々喋り出した。


「うわぁ、ほんとに異世界来ちゃったのね。ステータスとかあるの?」


「あぁ、あったぞ?」


「ほんと!?見てみたいなぁ」


「あぁ、それなr「あっ!あんま違和感なくて気づかなかったけどハク髪と目の色かわったんだね」


……………は?」


いったい今日何度目の『は?』だろうか。ここ最近言いまくってる気がする。


『ウォーターミラー』


あわてて水属性の鏡を作り出す生活魔法で姿見を作り確認する。

確かに純白で穢れのないという言葉がピッタリだと表現できるほどに真っ白な髪に左目はキレイなエメラルドグリーン、右目は血の色とも言えるような紅色になっていた。


「なんでぇ...なんでなん...」


がっくしと膝をつく。

若返ってるとか転生で赤ちゃんからとかならまだしもなんで髪と目の色だけ変わってそのまま転移なんだよ...

厨二感ハンパねぇじゃねえか!?

恥ずかしい...


頭を抱えて蹲る。


「似合ってるじゃん!カッコイイよ!」


「ほんとか...?」

そう思ってふと華音を見上げると華音は両目がエメラルドグリーンになっていることに気づいた。


「華音は両目エメラルドグリーンなんだな」


「えっ?私も変わってるの?」


「うん。変わってるよ」


「えへへーじゃあおそろいだねッ!」


「......おう(かわいすぎる)」

いま絶対打ち抜かれたやつだ。


「まぁ、無事に再会できて良かった。またよろしくな、華音」


「うん!そーだね!今度はこっちの世界でトップ取ったろー!」


そう言うと彼女は屈託のない笑顔を浮かべた。


「あぁ!当たり前だ!」


俺はこの笑顔を守り抜くと『アカツキ』の名にかけてここに誓おう。

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