公女零れ話:教授という方(※web版最新話までのネタバレあり)

 「執事2」の原稿の息抜き。今晩は、教授の件。

 実のところ、この人、作中で未だに戦闘シーンがない。まぁ、アンコさんに全て持って行かれている。流石はアンコさん。cura先生にアンコさんを描いていただく為、私は書き続けるのです。あ、コミカライズの方では既に登場されてますな。可愛い。

 閑話休題。

 さて、教授が王国最重要人物の一人なのは間違いないです。

 この人と学校長がいないことを確認して、オルグレンは叛乱を起こしていますしねぇ……。

 つまり、リディヤと同格扱い=単独で戦局を覆しかねない人外、だと思われている(※倒せても、次段階作戦に支障を来す脅威。え? リサさんやリンジーさんは?? ……オルグレンって、基本的に東方の引き籠りなんで、あんまり他公爵家のこと調べてないんですよね。老公世代はとかもく。若手で一番知っているのはギル君です)。

 前話で『嘘吐きが多い』と書きましたが、この人は正しく嘘吐き。

 ワルターさんとリアムさん(web版だとリカルドさん)と悪友の関係なんですが……。

 さて、web版を最新話近くまで読まれている読者様は、思い返していただきたい。


 教授、どうして長期休暇毎にハワード、リンスターを訪ねていたんですかね? 


 この理由は何でだったんでしょうか?

 ああ、無論、休みを満喫している、というのもあります。教授は人生を謳歌してらっしゃいますので。

 ……が、これは『嘘』も混じっています。

 王国南方・北方にわざわざ出向いていた理由――web版最新話までお読みならば、よくよく考えてみると、薄っすら理解出来るのでは? さて、そこには誰がいたのでしょうかね。

 教授と学校長って、毎回、リディヤに斬られたり、燃やされそうになったりしてますが、相当えげつない人達なんですよ。

 能力最上位の怠け者にして、良識及び苛烈さも併せ持つ、大した御仁達です。

 IFですが……オルグレンの叛乱が起きなかった場合、アレンは無理矢理、教授の後釜になっていた可能性もあります。

 ただし、これでも『公女殿下』とすぐさま結婚出来る社会的地位ではないのが悩ましい。あと、アレンの処遇って、既に1巻開始時点で『非公式国家案件』なので、暗闘が走るんですよね。

 リンスターは、とにかくアレンをリディヤの為に囲みたいし、もっと言うと、南方で二人(この数字は変動。リンスターが想定して人数はもっと多い)静かに暮らして(そういう体で、南方諸家全体の大幅な底上げ+時が来たら、侯国連合の幾つかを飲み込む)ほしい。

 片や、陛下・学校長は王都に置いておきたい。

 教授は中立気味だけれど、アレンの可能性に賭けて居るふしもある。あと、この人、友人思いなんですよね。

 当然、貴族派はアレンの抜擢には断固反対姿勢。書籍版だと獣人の新市街側も徹底的に反対したでしょうね。旧市街の御老人方も、良い顔はしなかったでしょう。

 ……案外とリディヤ案『亡命するっ!!!』は正しい選択肢の一つだったのかもしれない。まぁ、何処に行こうかが平穏無事ではないんですが。


 水都へ行くと、ニケ君が猛る。アレンのことを大嫌いだけれども、市井の身であることにも耐えられない、という楽しい性格をしている。作者お気に入り。

 帝国に行くと、老帝が悪巧みをする。この御老人も好き。若い頃のこの人の話とか滅茶苦茶面白い。アンナさんがまだいる時代のお話。

 ララノアへ行くと……まぁ、諸々あって、偽聖女様ルートかもしれん。

 いやまぁ、偽聖女様は邪悪なんですが、アレン相手には純粋でもあるので……話的には凄惨さを増す。大戦近し、となる。少なくともオルグレンが内乱に勝つ目が出て来てしまう。怖い。


 多分、魔王領に逃げ込むのが一番平和なのかもしれない。魔王戦争以来の対立を解き、人族と魔族との講和を纏める、とかしそうで怖いけど。

 で、きっと、魔族のちび姫とかをアレンが引っ掛け、『講和条件=アレンの引き渡し』が加わり、リディヤが講和条約締結の会場を襲撃。教授と学校長の胃に穴が開く。……うん、七面倒な。止めて正解だ。

 あれこれ考えてみると、書籍版・web版の流れで間違ってはいないように思いますな。リディヤ、ティナ、どっちも救う、最高難易度シナリオなんですが。教授の思惑通りか。

 まーでも、教授周りで一番気になっているのは……アンコさんのことと、王都最大の秘密結社組織『王都愛猫会』の(ここで文字は途切れている)。 

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