18回目:光:波紋の世界

  『光戦隊プリズムファイブ! 闇の帝王ダークキング、いざ覚悟!』

  『光など滅してくれよう』

   テレビ画面にかぶりつく子供たちを前にして、君は気のない息を吐く。

  「光過敏症か、深海生物進化系? そもそも可視光? 電磁波全般?」

   子供番組に難しい話は無理だと思うよ?

  「光のないところに世界はないのよ」


 怒る彼女の姿が揺らぐ。テレビに夢中の子供たちが。

 明滅を残して『灯り』が消える。彼らの姿も幻光の彼方へと。


「寿命かなぁ」

 調子の悪い投波機を。

 叩いて殴って点灯すれば、平和な居間が浮かびあがる。


  『プリズムレーザーファイナルアターック!』

  「レーザーは単」


 ぷつり、暗転。僕は溜息。

 ――僕の手元の波紋の世界の、時間はなかなか進まない。

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