ちょっと振り返ってみた 1

 先輩のところに越してきた次の日にタカヒロに報告メールを送った。










 実乃果 『地元をでて先輩と二人暮らしを始めたよぉ(^ ^) 』










 タカヒロ 『そうか、おめでとう。

 次は失敗するなよ(^ ^) 』





 と励ましのような、でも私の意図を全くみ取っていないような返事が返ってきた。

 おーい、何で先輩と二人暮らしを始めたのか分かっておりますかぁ?www なんていうツッコミも出来るわけもない私は、ここは静かに華麗にスルーすることにした。

 もしかしたら焼き餅メールをくれるんじゃないか?と期待をしていたけれど私相手にやはりそれはなかった。

 まぁ、太陽系でいうところの太陽と冥王星めいおうせいくらい規模が違うイケメン・タカヒロと私が、たまたま一夜を共にしたとはいえ、その距離は人間の一歩分も近づけていないほど遠い遠い存在なのだから仕方がない。

 それに比べてアサコは太陽の温かい光に包まれている地球的存在だったんだろう。

 タカヒロの友達でさえ木星や土星辺りの規模でちゃんと存在感もあってタカヒロの目に留まりやすいんだろうな。

 うわぁぁ…木星や土星が大きすぎて私なんかちりにしか見えないよぉぉぉ★

 ていうかそれらの陰になって光も当たらないから塵があることにすら気がつかないんじゃないのかぁ?( ´ Д ` ;)

 と卑下ひげしつつも、タカヒロとはプライベートで2回ほど会っているのでを視認していないというわけでもない。

 まぁ、これらの出来事を “プライベートで会っている” と言い切っていい話では全くないのだけれど、ひっ迫した話がつづいたので気分転換をかねて話してみようと思う。

 それは私が告白をする以前のことだった。






 ✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼






 1回目はバイト先でもある私の地元の本屋でばったりと出くわした。

 バイトが休みだった私は時間をつぶすために立ち寄ったところ、タカヒロが漫画売り場にいて目当ての本を物色しているところだった。

 時間からしてタカヒロがバイトにいく前だったのだろう。










 実乃果 「あ、タカッチだぁ。

 タカッチも漫画読むんだねぇ(^O^) 」










 タカヒロ 「まぁな(^ ^) 」





 偶然出会ったタカヒロにテンションが上がり側で長居をしたかったけれど、本屋は図書館並みに静かだったから気をつかい小さめな声で話し掛け、尚且つイケメン王子の貴重なお時間をワタクシメが奪っていいわけがないので二言ばかり話をして即座に立ち去ろうと考えていた。










 実乃果 「その本て面白いのぉ?( * ॑˘ ॑* )

 オススメがあったら今度教えてねぇ(^ ^) 」



 と言うと









 タカヒロ 「お前はもっとタメになるような物を読みなさい。」



 と突っ込まれてしまった。










 実乃果 「ぐはっ……★

 そ、そうだねー(;・∀・)

 それじゃーまたねぇ(((^_^;) 」



 と言ってその場を立ち去った。

 確かに博識なタカヒロからしたら私の脳ミソなんてアリンコくらいにしか感じなくてつまらない生き物なんだろう。

 タカヒロとはそれ程たくさんの話をしてきたわけでもないのに全てを見抜かれすぎててみじめになった瞬間だった。






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 2回目に会ったのはタカヒロのメアドをGETして2ヶ月くらい後のこと、何の音沙汰おとさたもなくタカヒロから一通のメールが送られてきた。

 その内容は、






 タカヒロ 『今Y2と飯田橋のクラブに居るんだけど暇だったら来ないか?(^ ^) 』



 というお誘いだった。

 Y2君というのは同じバイト先で働いている男の子で、決して派手な感じではなく優しそうな雰囲気の人だった。

 話を聞くと、この日のホールはパラパラが開催されていて、ダンスの専門学校に通っていた私だったらそれくらい踊れるだろうと踏んで呼ばれたのかもしれない。

 しかし、そちらの分野に興味がなかった私は全くかたを覚えていなかったため踊れるはずもないのだが、イケメン・タカヒロの誘いには絶対に乗りたかった私は脇目も振らずにホールを目指した。

 入場の仕方を事前にタカヒロに聞いていた私は初めてのクラブをビビリながら一人で入り、人混みに揉まれつつも二人が居るところまでたどり着いた。

 クラブ内は爆音に包まれていたため、二人の姿を確認した私は手を上げて挨拶を交わした。

 タカヒロと目が合った私は少し顔を近づけて








 実乃果 「タカッチはよくクラブには行くのぉ?」




 と質問してみると










 タカヒロ 「あぁ、そうだな(^ ^) 」




 と返答が返ってきた。

 へ~ぇ、イケメン王子は行動範囲が広ぅございますなぁ(*´ω`*)

 と感心しつつ色々と話を聞きたかったのだけれども、店内の爆音にヘタレた私はうなずくだけで喋るのをめてしまった。

 そのうちにタカヒロとY2君から「ちょっと踊ってくるけどミノもいくか?(^ ^) 」と誘われたけれど、










 実乃果 「んー、パラパラよく知らないし私はここに居るよぉ(^_^;)

 私のことは気にしなくていいから二人で行ってきていいよー(^o^;) 」




 と言って彼らを見送った。

 私は数少ない椅子に座ってタカヒロたちの帰りを待つことにした。

 ごく普通で飾りっ気のない私はもちろんナンパをされることもなく無事にやり過ごした。

 そしてタカヒロたちが気を遣ってくれたのか、私が到着してから1時間くらいが経った辺りで店を出ることとなり、三人とも帰る方面が同じだったため私は二人のたわいない会話を聞きながら帰った。



 王子自ら誘ってくれたのに、その厚意こういを完全に無下むげにしてしまった私は処刑されるべき愚民ですよね。

 今思えばエンジョイング楽しそうなタカヒロを間近で拝めたかもしれないのにすごく惜しいことをした。

 けれども人混みがあまり好きではない私はクラブの勢いも相まってひるんでしまったのと、唯一の特技であるダンスが全く発揮できないとなれば自尊心がズタボロになってしまうし、その上 劣等感が強い私にはこれ以上の不甲斐ふがいない姿をタカヒロに見せられなかった。

 なんのアピールも出来ず、ただ交通費とクラブ代と時間を使っただけ。

 私が行こうが行かなかろうが何も変わらなかっただろう。

 いや、私が居なかったらもっと長い時間タカヒロたちは楽しめたかもしれない。

 こんなどうしようもない出来事はすぐに抹消したかった。





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 いかがです?この2回とも塵のような存在の実乃果っぷりわw

 ほんの少しの太陽の光チャンスすら味方にできない私は塵を認定されても否めないのです。

 それでもイケメン・タカヒロは私を見捨てず、時に “からかったり” もしてくれていた。


 ……。


 …………ん?w

 表現がすでに下僕化げぼくかされていることはお気になさらんでくだされwww

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