失った携帯 1

 携帯電話を壊してから5日が経った。

 携帯をへし折る大分だいぶ前から嫌な予感を察知していた私は事前に皆の連絡先を紙に書き留めていたのでそれらの全てが無事でホッとした。

 なぜ紙に?とツッコミどころが満載だけれど、アナログ的 思考の私は機械を全く信用していないので手書きで残すしか手段がなかったww



 5日も空いてしまったし、でも特に心配はしていないとは思うけれどタカヒロにはちゃんと報告をしておこうと思った。

 しかし私はここで予期せぬ問題にぶち当たった。







 これってもしかして…直接タカヒロに電話をするしかない、てこと?……



 私は あわわわ★と焦った。

 バイト以外でするタカヒロとの会話は完全にメールに頼っていたし、会話が途切れようものならば完全にパニックにおちいると思った。

 電話を掛けること以外でこの状況をタカヒロに伝える手立てはないものか?ともう一度考えてみる。

 同級生や姉ちゃんに事情を話して携帯を借りてタカヒロにメールを打つという手段を思い付いたけれど、タカヒロと他の女性を少しでも近づけさせたくないというみにくい思いがニョキッと顔を出したために その考えはすぐに却下した。

 身近にパソコンもないし、ネットカフェに行ったところでアナログな脳ミソの私には扱えないだろう。

 何とも筋金入りの機械音痴で恥ずかしくなったww



 仕方がない…。

 こうなりゃ直接電話をする……っきゃないべよぉぉ!

 ここで掛けずに放置してたら私の存在なんかすぐにイケメン・タカヒロの記憶から排除されちゃうんだから。

 女は度胸だ!ガンバレ実乃果!!

 自分のしかばねは自分で歩いて墓に入ってやるわいッ‼︎

 と意味不明な言葉をつぶやきながらタカヒロに電話をすることを決意し、そしてこれが “タカヒロと初めて電話をする記念日” となった。

 この日の昼間、私は公衆電話へと足を運んだ。

 一通りの話の流れを考えていたけれど、パニックにならないよう今一度 復習してからタカヒロの携帯へ掛けた。










 実乃果 「…あ、実乃果だけど今電話ダイジョブ?

 公衆電話から掛けてごめんね(´・ω・`;) 」










 タカヒロ 「いや、大丈夫だけどどーした?」





 口から心臓が飛び出そうになりながらも、彼氏が私の携帯に執着してきたから私みずから携帯を折ったとタカヒロに話した。

 もちろんタカヒロを守るために折ったとは言わなかった。










 タカヒロ 「そうか、お前も大変だな★」










 実乃果 「いや~、そんなのは大したことじゃないよぉ(^_^;) 」




 と全く問題がないように振る舞った。

 いて言うならタカヒロとの大事なメールのやり取りが無くなってしまったことが大問題だけれど、こうして私の記憶にシッカリと焼き付いてて離れないんだから大丈夫さぁ♪

 さーてと、報告も終わったね。

 うん。

 ……んで、その後はどーするんだっけ?

 どーやって電話を切るんだったっけかぁ??



 携帯が無くて連絡がつかないけど心配しないでね~(^O^)とライトに締めくくるはずだったのに初めてするタカヒロとの電話に完全にパニックになっていた私はこの一言をすっかり忘れてしまっていた。

 それじゃーね、と無理矢理に話を終わらせたら単に憂さ晴らしの電話をしたかのようになってしまうではないか!と思った私は咄嗟とっさの思い付きで話をつづけた。










 実乃果 「あー……ん~…でねぇ………あ、新しい携帯が欲しいんだけど!買いに行くのに付き合ってほしいな~て思ってタカッチに電話してみたんだぁ(^ ^) 」




 口走った後にハッ!と我に返った私は緊張もピークに達し全身の毛穴という毛穴から汗がブワーッと溢れ出てきた★www

 本当キチャナくてすみません(´Д`;)

 タカヒロはそんな私の状態を知らず










 タカヒロ 「あぁ、いいよぉ(^ ^) 」





 とこころよく答えてくれた。

 あれよあれよと言う間に買いにいく日時をこぎ着けた私は静かに電話を切った。



 ………ぬぅおぉぉぉぉぉ!!

 またタカヒロとデートが出来るのか!?

 マジかぁ!?

 マジなのかぁ!!?

 捨てる神あれば拾う神ありとはまさにこの事なのかぁぁぁ!?

 うひゃっほっほーーい!♪((┏(^ω^┗) 三 (┓^ω^)┛))♪

 と込み上げる興奮と喜びにテンションMAXになるワタクシメ。

 ただ携帯を買いに行くだけなのにこの喜びようときたら、まさに「散歩に連れてってやるよ~」の御主人様の一言に尻尾をブンブン振りながら大喜びする子犬ちゃんのようではないですかwww


※おびと訂正※

 実際そんなに可愛くもないのにをわきまえない過剰な表現をしてしまった事をここに深く謝罪を申し上げます。((。´・ω・)。´_ _))ペコーリ





 さてはともあれ携帯を買うべく5月30日の16時、タカヒロと渋谷で待ち合わせをした。

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