或る中年男性の小冒険

popyontarou

第1話 はじまり


 私は中年男性であり、詳しい歳も言わないし、細かいことは一切、説明しないし、タイトルに「小冒険」としたが、多分、小冒険さえしない可能性もある。つまり、何もしない。

 読者の皆様におかれては、読まれてもいいし、読まれなくてもいいし、何なら、キーボードクラッシュされても構わない。ただし、クラッシュされたキーボードの修理の請求書を私に送るのはやめてください。

 基本的に、勢いだけで、一つ一つの話を書いてゆくことになると思うので、読者の皆様も勢いで読んでほしい。大切なのは私にとっては勢いだと思う。何事も「よっこらせっ」と腰をあげるまでが大変で、腰をあげたら簡単ということなのだと私は信じている。

 それは勢いがあるからであり、この小説もそうで、「はじまり」において、私は「勢い」の大切さを説いた。これは大したことだと思う。というのも、なかなか、「勢いで読んでください」という作者はいないからである。

 どうしてかというと、立ち止まって味読してほしい人が多いのであろう。でも、私は勢い派であり、同じことを何回も何回も繰り返す可能性もある。それはまるで、法華経のように、うねうねうねうねしているかもしれないが、安心してください。

 いつか飽きてやめることでしょうから。そういう意味では、暇つぶしと思われるかもしれないがここに関しては私は云々しない。どうしてかというと私のことを批判する材料にする人がいるからだ。人は本当に批判が好きである。自由に書いているだけなのに、「お前の人生のとらえ方が甘い」「絶望が足りない」「震災で亡くなった人のことをどう思うのですか」「男と女について」「精神病について」「生と死」など、私に抱えきれないような大問題をいきなりぶつけてくる人たちがいる。

 知らんし。何で小説を書くだけなのにそんなことを押し付けてくる人がいるのだろうか。読者にしても迷惑だろう。彼らは小説を読んで楽しみたいだけであり、小説家に人生を説いてもらおうなんて、期待はしていない。つまり、私は、小冒険をこの小説でやるだけであり、他のことは他の人にお聞きなさってください。

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