prologue


 そこは暗い世界だった。

 全ては闇に包まれ一寸先すらも見通すことはできない。


 ソレは自分へ問いかけた。

『お前は何だ』

 と。

 答えるモノはいない。

 ソレを知るモノはいない。

 ソレは浮かぶ影を見つめた。


 ソレは自分へ応えかけた。

『お前は自分であり、世界である』

 と。

 応えるモノはいない。

 ソレを解るモノはいない。

 ソレは見えない光へ踏み出した。


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