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「でもカズマきゅんは三次元でしょう?」
「確かに三次元には存在するんですけれど、ちょっと違うって言うか」
違う? どういうこと?
「彼は二.五次元ですから」
「へ?」
二.五次元? とは?
「実際に存在するけれど、手の届かない存在と言いますか。カズマきゅんが出演している原作がアニメだったり、漫画だったりする舞台は、二.五次元舞台といいまして」
「二.五次元舞台」
「二次元を三次元で舞台化するってことで、次元の中間ということでそう呼ばれているみたいなんですけれど、私にとってカズマきゅんもそこの住人なので。三次元には存在していますけれど、決して手が届かないといいますか、画面の向こう側の人だから」
「なるほど」
何となくだけど分かった気がする。確かに次元の違う相手とは付き合うことは出来ないかもしれない。
「でももし、そのカズマきゅんと出会うことが出来て結ばれたら、なんてこと想像したことはありませんか」
「まぁそれは・・・二次元のキャラともしますから」
わーお。まぁでも純情巨乳グラドルともし付き合えたら、とか考えることもあるしな。そう考えれば、グラドルも二.五次元の住人か。
「彼氏が欲しいって気持ちもあるんですけれど、今はカズマきゅんにお金を落としたい気持ちが強いんで。彼氏に使っているお金も時間もないんです」
ハルさんの言っていることは分かる。真剣に何かをしている時は誰もがそうだから。ハルさんにとってはそれがカズマきゅんなだけで。
「けれど私のお酒は飲みに来て下さるんですね」
彼氏に掛けるお金も時間もないのに。
「ふふ、当たり前じゃないですか」
「当たり前?」
「舞台を観て、楽しい気持ちのままマスターのお酒を飲むまでが私の大切な時間なんですから」
「ふふふ、それは光栄です」
カズマきゅんの何分の一かでも、ハルさんの癒しになれているのなら、それは俺にとっても嬉しいことだから。
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