小さじ一杯

小さじ一杯が

足りなくて

またおかしな挙動を

繰り返してしまうのだろう

あなたとわたしは

ほとんど変わらなかった

何もかも一緒だと言っても良かった

けれど小さじ一杯が

また異常者を造り出した

本当は存在しなかった線を

足元に引いた

人間に良く似た別の何かみたいな

そんな視線を寄越すのだ

わたしが転落するのが

そんなにおかしいのかな?

生きる希望を与えてしまうのかな?

わたしは何度でも主張したかった

ほんの僅かの差でしかなかった

あなたとわたしは

本来、同じ箱の中に収められていた

だがあなたはわたしに怯えて

わたしを理解不能だと断定し安心したがった

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る