夏休みだから


おい

夏休みじゃねーか

だからかよ

こんなところにまでお子様が溢れ返っていやがる

帰れよ

ここはおれの遊び場なんだ

頼むよ

お前ら海とか山とかラウンドワンとか行けよ

おれにはもうここしかねーんだよ

浸食すな

会社では役立たずだよ

へらへら笑うしか能が無いと思われている

そしてそれは確実に的を射ている

人は本当のことを指摘されると頭にくるものだ

「お前は人数合わせだ」

真顔でそう言われた

へらへらへら

おれにはもうポエムしか残されていないんだよ

最近、アニメを観ていたってキャラクターに馬鹿にされているみたいなんだ

「こどおじー」

殺すぞ

いけない

画面に映るこいつらは最初から生きていないんだった

落ち着け

ゲットクール

とにかくもうおれにはポエムを書くしか道は残されていない

他に現実逃避する方法が存在しないんだ

誰か助けてくれないかな？

ドラえもおおーん！

わさびでものぶよでもこの際どちらでも構わない

ああ大麻でもその辺に生えてないだろうか？

人生が辛すぎる

どうしてこうなった？

おれが一体、何をしたって言うんだ？

あるいは何をしてこなかったって言うんだ？

どちらにせよもう希望なんて売り切れてしまったのだろう

残されているのはその紛い物だけ


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録（無料）

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る