妖精の声

囁きが聞こえる

わたしの耳元で

すぐ隣りの友人には聞こえていない

ふふ

これはわたし専用の囁きなのだ

ゆえにその信憑性は増す

真実がかなり含有されていると思われる

わたしたちは歩く

道はやがて分岐点へと差し掛かる

囁きが聞こえる

わたしの耳元で

何も考えていなくても

選ぶべき正解を教えてくれる

脳味噌を何処かに置き忘れてきた友人が哀れな被害者と化す

残念だ

すごくね

わたしはわたしの道を行く

足跡がどんどん少なくなる

頭上を薄暗い景色が覆う

やがて昼と夜の区別が困難になる

囁きが聞こえる

それ以外の声がまるで聞こえなくなる

友人は何も言わずに去る

崖下に転落する?

一笑する

何もかもが予定通りに進んでいる

きっと虹の着地点にいざなってくれる

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