夢の中へ

向日葵、揺れるあの道を

また歩くことが出来るのならば

全てを投げ出しても構わない

失くしてしまったものが多すぎた

とても大切なものだったはずなのに

手放す瞬間を覚えていない

きっとどうかしていたのだろう

そしてどうかしたまま………

こんなはずではなかった

頭上を駆ける虹は消えていた

いつか固形化させ

永遠にそこにとどめておこうと誓った虹が

後片も無く消え去っていた

そのことに気付きもしなかった

どうしてこんなことになったのか?

あの日、思い描いていたものはただの絵空事だったのか

時計の針は無感情に進んだ

今ここに立っている自分が

同じ人間とは到底、思えなかった

何処かですり替えられたのではないだろうか

「咲いて散るだけだろ」

お前は言う

でもわたしはその途中で永遠に似たものを手に入れたかった

そして瞳は狂人の領域へ

舞い上がる粉塵に

得体の知れない笑顔を浮かべている人間がいるよ

けして視線を合わせてはいけない

彼はもう戻っては来れない

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