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最近ストロングゼロという飲み物が人気らしい

酒だ

手軽に酔っぱらえて現実世界の不安を払しょくしてくれる魔法の酒とのこと

あのなあ

おれは思う

そういったものはもっと早くに教えてくれよ!

とにかくこの現実世界は生きにくい

生まれて来る場所を間違えたと四六時中、思っている

子宮口から出た来た際にはあまりに哀しくて泣いてしまった

なんだこの世の中は

人類が誕生して何億年、経ったのか知らないがそれだけの時間をかけて出来上がったものがこんな世界かと思うと哀しくなる

ユートピアの欠片も無し

おれがスーパーサイヤ人だったらフリーザと一緒に肩組んで地球をぶっ壊しているところだがおれはスーパーサイヤ人ではないので替わりにストロングゼロを飲む

ぐびり

うめえ

涎と共に口を拭う

ぷへゃあああ

世界を変えることが不可能なら世界を映す自分を変えるしかないのだ

毛細血管の隅々にまでこいつを行き渡らせる必要がある

ストロングゼロ

そいつがおれの友達だよ

どう考えても身体に良くなさそうなケミカルチックな甘みが舌の上で広がる

こんな世界で長生きしていたって損だよとっととくたばってしまおうよと天国へ誘ってくれるのだ

ありがたい話しだ

自分が文学だなんだと志しているのがバカらしくなってくる

夏目漱石だとか太宰治だとかが一体、何をもたらしてくれたというのだ?

あんなのただの自己満足じゃねーか

ぷはあ

ストロングゼロを飲めば日曜のサザエさんを観ていたって高尚な真実を画面から読み取ることが出来る

甚六の変死体が河に上がる

タラちゃんが腕時計型、麻酔銃を使って巧みに捜査をする

いいねえ

最後のじゃんけんに勝てば自分の人生も勝利したかのような錯覚に浸れる

この世界は辛い

月曜は仕事に行かなくてはならない

どうして月曜は仕事に行かなくてはならないのだろうか

先週も行ったではないか

でもまた行けとみんなが言うから仕方なく溜息をつき最寄駅へ向かうのだ

満員電車に詰め込まれて顔馴染みの加齢臭を半強制的に嗅がされるのだ

ストロングゼロ

そいつがそういった灰色を全て消し去ってくれる

こんなやつを待っていた

規格外の度数が魅力だ

徹底的にやるべきだとおれは思うね

とにかくこの世界には刺激が足りない

エグザイル

AKB

るろうに剣心、北海道編

面白いことなんて何も無い

小さい頃はただ走っている電車にも興奮することが出来た

だがもう飽きた

人間というやつは長生きしすぎなのではないだろうか

美しくない

咲いて散るから花は美しいのだ

これが年がら年中、咲きっぱなしだったら誰も目に留めないだろう

ストロングゼロ

そいつを飲み干して早送りを決め込もう

勇気が湧いてくる

そろそろゴムゴムのパンチも撃てる気がする

そして明日の朝に目が覚めるのだ

頭が痛んで最悪の気分だ

鬱蒼としたどす黒い顔つきで満員電車の中を物のように揺らされる

おれは思う

ああ早く仕事を終えてストロングゼロが飲みてえなあ


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