0324


同僚が昼飯を食べた後いつもの仮眠室へと向かって行った

わたしは他の同僚とそいつの軽口を叩いた

口は災いの元と言うが本当に災いなのはその教訓をすぐに忘れてしまう頭だ

かさこそとそいつの気配を察した

開けっ放しの休憩室から身体を乗り出し廊下の方を見た

どうやらあの角の辺りにそいつがいるらしかった

あちゃー

またやってしまった

前の職場もそれが原因で辞めてしまったというのに

同じことを繰り返してしまう

不用意に失言をしてしまうこの年不相応さを何とかしたい

そいつに教えてあげたい

確かにわたしは今、あなたの物真似をして、しかもかなり誇張して笑いをとったが

けしてあなたに対して良からぬ思いがあるわけではないということを

だがそのような釈明は通じないだろう

もしわたしがあなただったら絶交だ

自分のいないところで自分の悪口を言うなんて最低の行為ではないか

しかもそいつが昼休み後には何も無かったかのように微笑み話しかけて来るのだから

失った信頼を取り戻すことは難しい

わたしは明日、そいつと職場で会うのが憂鬱だ

そいつが今頃、湯船に浸かったりしていて今日の昼間の会話を思い出したりしていたらどうしよう?

そんなことを考えている


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