不協和音だらけ
半分の半分くらい、音が下がって聴こえる
トラックのタイヤが擦れる音
アスファルトの軋む音
その隙間で何かが死んでいくのを見ている
「死刑だ、死刑だ」と、少年たちが笑っていた
本当に死ぬべきなのは、生き損なった私なのに
死ぬ勇気がないことさえも「生きている」と比喩するのは
傲慢さと優しさが噛み合っていないから
大事なギターを失ってしまった
3月の中に置いてきてしまった
今ここにあるのは、この低く太い僕の声だけ
今一番嫌なのは、私になれない僕のことだけ
私は歌を作るけれど、決して歌ったりはしない
イメージと違うその声が、私を苦しめるから
感情の叫びとの不協和音で、私を傷つけるから
なにより、詞が空っぽになってしまうから
私の嫌いな僕のこと
私が立ってるここはどこ?
私の唯一の居場所はココロ
不協和音が鳴り響くところ
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