終末、氷の城

@soraunagi

終章

戦闘機だ。囲まれている。


戴冠式も終えていない若き王子、窓から外を眺む。

王女になるはずの美しい女性は先日心臓から血を流した。

氷の城に生き残ったのは王子とひとりの町娘。


サイレンが鳴る。うう、うう、うう。


大広間、王子は娘に手を差し出す。娘の頬、冬の桜。


どうん。どううん。大きな爆音。

うう、うう、うう。


王子は指を鳴らす。ぱちん。

氷の城は水を垂らしながら、歌い出す。

氷の歌に合わせて踊る、踊る、踊る。


真っ赤な世界。踊る、踊る、踊る。

崩れゆく世界。踊る、踊る、踊る。


「そうだよ。これが永遠なんだ」


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