2ページ
「え、なに、アイスの話?」
「違う。イツキちゃんの話」
「あー」
あー、て。最近イツキちゃんの話を聞いていないと思ったら。進展はあったのか?
「最近ムギローブにも誘ってこないし。ミケは店行ってんの?」
ゲイのミケの想い人は、居酒屋のバイトちゃんだ。ミケが女の子を好きになった自分の気持ちに戸惑っているところまでは知っている。その後はどうなっただろう。
「行ったわよ」
「行ったんだ」
「・・・一度だけね。すぐ帰っちゃったけど」
帰ったんかーい。
「でも凄いじゃん。行けたんだ」
「まぁ、ね。このまま考えていても仕方ないし、ちょっと行動してみようと思って。自分が行動したいように」
へぇ、えらい。あんなに悩んでいたのに、少しは吹っ切ったってことか。
「それにリンを見ていたら、なんか勇気が湧いてきて」
「はっ確かに。アイツは思うままに行動しているからな」
「まだリンみたいには行動出来ないけど、出来ればもうちょっとイツキちゃんと話したいなって、思ったり・・・」
とミケは言っても、まだデートに誘ったりはちょっと難しそうだよな。なんたって女の子を好きになったのは初めてなのだから。
「うしっ。じゃ、来週はムギローブ行こ」
「え、来週っ!?」
バシャッと身体に波が当たる。急にこっちを向くな。
「だって休みそこしかないし」
ミケと俺は偶然か必然か、店の定休日を同じ水曜にしているから。
「付き合ってやるよ。俺あの店好きだし」
「・・・良いの?」
「しゃーなしだから」
なんて、友達の為に行動出来ることがあるならしたいと思うのが性分で。素直には絶対言わないけどね。
「ミケのおごりで手を打ってやるよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます