異世界蠍

・顔


白い外骨格、頭は小さく左右に割れている口には牙がある。目は八つ、

左右に並んでいる。

オス。


・体格


全長180cm 頭高30cm 尾の高さ78cm 200kg

四対の足を持ち、内前足の二本は太く長く、先端がハサミになっている。

体の後方にはサソリの代名詞とも言える長い尾を持ち、体の後部より上に上がって前へと垂れ、その先端は毒針となっている。

白い外骨格は暗いところでぼんやりと薄緑色に光る


・経歴


カンパニーに所属するとある研究所が成果物として期限ぎりぎりに提出してきた個体、はっきり言って期待外れ。。

その研究所はカンパニーの傘下に張ってから日の浅い、元ベンチャーで、事前のプレゼンではかなり大きなことを言っていた。

だがそんな彼らにとって、この巨大なサソリ程度が世紀の大発明であり、これ以上ないという成果物なんだそうだ。

だが、他の研究所の成果物と比べるまでもなく脆弱であり、コストも高く、それどころか異世界の野生生物の方が強いという、残念な結果となった。

所長は「シャイニングなスコーピオン、懐かしいでしょ?」と半笑いで弁明したが上層部には通じなかった。

それでもカンパニーの方針としては結果さえ出せれば一切を不問にする実力主義であり、結果出せれば問題ない、としており、今回の実験に投入された。

この個体が勝利すれば次につながり、敗北すれば今度は研究員がぼんやりと光ることになる。


・性格


知能は虫レベル。じっとしていて時折餌を狩りに動く程度。

外敵にはハサミと尾を広げて威嚇するも、巨大化した弊害で危機感が薄い。

実験時には餌を与えないで飢えた状態で投入するため、すぐに相手に襲い掛かると思われる。


・能力


サイズに似合ったパワーはあるものの、ハサミは骨に食い込む程度、動きは関節の駆動範囲が狭すぎて早くなく、死角も多い。また外骨格も硬いプラスチック程度で、刃物を用いれば人力で解体も可能。

視力は悪くないものの、頭がかなり低い場所にあり、加えてハサミが邪魔で視野が狭い。

毒針も巨大化したことで逆に毒が薄まり、刺されても激しい痛みを感じる程度で弱く、しかも毒針が太すぎて刺さらない。

暗いところでぼんやりと薄緑色に光る。これは遺伝子マーカーとして埋め込んだ発光遺伝子の副産物であり、狙っていたわけではない。

熱い研究員の思い、ピンチになるとこの個体を作り上げた研究員たちのカットインが入り、想いの力が奇跡を呼んで本当に輝くスーパーモードとなり勝利が約束される、と現実が観れていない研究員たちは信じている。


注意が必要。


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