第21句 アメリカビーバー


え咲かせじ 一花だに咲かば 削り花


・ー・ー・ー・ー・ー・


おれっち、木を倒したり組み立てたりするのは得意っす。


だけど、それ以外の事はさっぱりっすよ。


一年経った記念にお花畑が作りたいであります、ってプレーリーさんは言うんですけど、どうしたらいいものか…。


そうやって、いつもの癖で木を削りながら考えていたら、これでありますよビーバー殿、って。


おれっちが削った枝が、偶然花のような形になっていたそうっす。

こう、くるくると巻いてあるところが花のように見えるって。


流石でありますな、と褒められては、まぁ、その、悪い気はしないっすね。


これからたくさん作って、こはんに木のお花畑を作るつもりっすよ。


〜アメリカビーバー


【季語】

削り花[新年]:柳・みずき・接骨木などの若木の皮をむきとり、身を薄く削いで稲穂や花房のようにしたもの。

正月十四日に正月の輪飾りなどがすべて外された後、その年の豊作を祈って門や神棚に掛けられるとともに、寺社に納められた。


「え〜じ」:〜することはできないだろう

「だに」:せめて〜だけでも

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