一日一作@ととり

2018年3月14日 恋

私は恋をしていた。彼は正義の味方だ。強い敵と戦っている。凛々しい横顔、熱い情熱、私は寝ても覚めても彼の事ばかり考えていた。私は恋をしていた。その相手が本の中の人物であっても、この恋は本物だ。


ある日、夢を見た。彼が波間に揺れている。そして波に溶けて行った。私は悟った。脳は知っているのだ、これは夢であることを。美しい夢であることを、そして儚い夢であることを。脳は知っている、知っててなお夢見ることを許してくれているのだ。いつか覚める夢なのかもしれない。だが、私はこの恋が本物だと知っている。この瞬間は永遠なのだと。


2018年3月14日

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