絶対!絶対好感度女に、ご注意を。
男の人にとって、
魅力的な女の人というのは
女の人にとって、
決して魅力的とは限らない。
さらに強めて言ってしまえば、
女の人に嫌われる。
けれど女の人にも、
男の人に好かれたいと言う願望があって、
男の人が
どんな女の人を好きかと言う研究をして、
男の人の好きな女の人になろうとする。
そこに理想の女性が生まれる。
本当に、素のままで、
男の人が好きな理想の女の人なんて、
いるわけないんだ。
いるわけないんだと、
どこにもいないんだと、
私は信じていた。
あなた、に出逢うまでは。
あなたったら、ダメだよ。
そんなにみんなに好かれるなんて、
反則みたいなもんだよ、
ホントに、もう。
でも、ほんとうにほんとうのこというと、
どうでもいいんだ、
あなたが、誰からも好かれようが、
どこの誰に好かれようが、
あなたを好きな人たちなんか、
どうだって、いい。
あなた、だ。
問題なのは、あなたが誰を好きなのか?
なんだ。
あなたは、ひとりを選ばないけれど、
ときおり困った顔をあたしに向けるでしょ?
あたしもなぜだかドギマギしてしまって、
あなたから視線を逸らせたりしたわ。
すべての男の人を虜にするその魅力で、
あたしのことまで虜にして、どうすんのよ?
駄目じゃダメ。
あたしも、なら、
あたしも、女よ。
女の意地も、もってるわ。
ちょっと、前向き、告白から
させていただくわ。
『嫌われてるのだと、ばかり、思っていた』
泣きそうな顔で。
そんな風に上目づかいで、
あ、駄目。
……、堕とされちゃった。
それは、世の男たちは、イチコロだろ?
女のあたしでさえ、
今、
『潤ッ』って
鳴った、
こころ、
聴こえた。
これさ、惚れちゃうよ。どうしようもない。
惚れたほうが、悪いんじなない。
惚れさせた、あなたが、悪いんじゃない?
で、どうすんのさ?
あなた。
私は、正直に、あなたが好きだって、
言っただろ?
あなたは、なんて、応えてくれるの?
えっ?
えー?
言った、今?
言ったよね?み、みんな、聴いた?
聴こえたよね?ねー?
『貴女の名字が、好き』だって。
こ、これって、プロポーズ、だよね?
え?
女同士、結婚するのか、って?
ええ、問題無し、よ。
あたしのお嫁さんになってくれるって
そーゆー意味でしょ?
え?違うの?
ただ、名字が、かっこいいって、
それだけの、はなしよね??
そ、そうなんだ。
いや、そうなんだとは、思ってたんだよ。
いきなりすぎるからね。
ンなわきゃねーよな、夢みれてよかったね?
ほんの一瞬でも?
くそ、からかわれた。
喜ばされちゃった。
いい加減、女心をもてあそんでたら、いけんよ。
あんまり、調子のっとったら、
ヒーヒーゆわしたるけんね。やめときや。
う、うそ、うそ。
泣かないで。
怖くないから、泣かないで。
ヘンな方言でゴメンナサイね?
もう、いわないから。
でも、あなたも、反省しなさいよね。
あんな言い方されたら、
勘違いしても、しょうがないでしょう?
ん?
なんでまだ、泣いてるのよ?
ちゃんと、謝ったでしょ?
え、そのとおりの意味なの、って?
なにが?
『貴女の、お嫁さんに、なりたいの……』
消え入るような声、
なので、なんとか聞き取れた。
かな?
ほんとに、ちゃんと、聞き取れたのかな?
でも、あたしをみる目が、
そういう目なので、きっと、嘘じゃないのだろう。
『じゃ、あたしたち、ソーシソーアイで、いいの?』
こくり、
と、うなづく無言の肯定が、
あたしを顔面を、グーでぶちのめしちまった。
は、鼻血が、止まらねー。
心の鼻血が、って。
比喩としても、ほかになんか、ない?
心が、鼻血まじりの女って、
さすがに、ちょっと、ねぇ?
でも、嬉しすぎるから、いい。
きょうは、許す。
今だけは、すべて許してあげるよ。
なんか、人生で一番、嬉しい日に
なっちゃうみたいな、…………ああ、
ああ、もう言葉が続かない、
………あたし、…………詩人の、くせに………
なにもいえなく、されちゃった……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます