素敵女子 VS 不器用女子 編集Y

suwan

第1話 紅茶とコーヒー


私、花園サクラは珈琲通だ。

1日の始まりも終わりも珈琲。ちなみに

振られる時も喫茶店でコーヒー飲んでる時…

ダサッ。


安くても、高くても、

インスタントでも、コーヒーメーカーでも

そこにコーヒーがある限り飲む。


いつか、ブラジルとかで農園持つのが夢。


例え飲みたくなくても外出先で

その香りを嗅ぎつけたら飲む。


だがある時気がついてしまう、世のステキ女子

たち特に肌がツヤツヤ女子は、コーヒーを

がぶ飲みしていないことに…

そして、振られる要素が少ないのも紅茶派の

女性だ。もはや派閥である。


花園サクラはアラサーOL。

取引先の男性に合コンもどきで声をかけられ

なんと2人で会うことになる。


サクラは思いっきりオシャレして

未だ袖を通したことないワンピースに華奢な

ミュール、華やかなアクセサリーを着けて

完璧‼︎と気合い入れて出向く。

『ちょっとお洒落しすぎたかな?』

サクラの悪い癖、加減を知らない…



「どこで待ち合わせる?」と聞かれ

「アフタヌーンティー」

と思わず答えてしまった。

午後の店内は主婦層の女性客が多く

自分たちにはその空間がハイレベルだ。

サクラが頼んだのは、爽やかなアールグレイ

のレモンティー。

「よく来るの?」と聞く彼に

「まぁ、女性の定番みたいなお店だから。」

と済まして答え白々と嘘を吐く。


コーヒーを注文した彼を尻目に己の失敗に

気がつくサクラ。

途中サクラは、珈琲飲みたくて仕方ない

シンドロームにかられる。ウインドーショッピングをして近くの公園を散歩した。

なにをしてても上の空。

コーヒーが頭から離れない。


「どうかしたの」和葉 ←取引先のカレ

心配した様子で聞く。彼もなにか切り出したがっている様子だ。

「コーヒー飲み直さない?」言ってくれないかな

能天気なこと考える。

「なんでもないの、春はまだ先なのかな?」

誤魔化すサクラ。


優柔不断の2人は夕飯の場所が決まらずに

無難にブッフェレストランへ行く。


サクラは我慢の限界で

サラダとスイーツを食べていると和葉の携帯が鳴る。

「ごめん、ちょっといいかな?」

内心ラッキーと思うも、そこはクールに

ニコっと頷く。

暫く帰らないと確信したサクラ、

「よしっ」と席を立ちコーヒーマシーンの前

を陣取る。

ガブガブ珈琲を連続飲みして

「美味い」と 言葉が漏れる。

背後に彼が立っていた。

『ヤバ ドン引きの瞬間』顔面蒼白で

言葉を失うサクラ。

次の瞬間、

「キミ、面白いね。気取ってない方が僕は

好きだな」和葉が豪快に笑った。

「聞き間違い」じゃあない。


「失礼かと思ってずっと言えずにいたけど…」

「なになに」思わず身を乗り出す。

「よかったら相談相手になってくれないか?

有李酥さん…(同期のモテ女)彼女のこと

気になってて…仲よさそうだから聞かせてよ。」


なんだ結局そっちかー残念。

家帰ってまたコーヒー飲んでやる。


チャンチャン

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