祝!16400PV突破! 第44話 テーマパーク開園

 ーーー電脳時間で数か月後ーーー


「いよいよだな」


「ええ」


 ルナが髪をすくい上げる。


「思ったより早く開園出来たわね」


「頑張ったからな」


「うん。感謝してる」


 俺は頬に指を当て、


「キスならここでいいぞ」


「馬鹿」


 ルナはキスの代わりに響の頬を撫でる。


「本当。最近は熊10頭相手でも全く引けを取らなくなったしね」


 少し上の響を見上げる。同じ高さだった響の身長はルナより少し高くなっていた。響も成長期に入っていたからだ。


「男の子ってあっという間に成長していくのね」


「誰でも俺と同じに、ってわけでもないだろ」


「そうね。響は特に伸びたわね」


 ルナは笑顔を向ける。


「私ね。遊園地を作るのが夢だったの」


「知ってる。ホラーハウスを作ったあたりから。あと、遊園地を作ってるとき、話しているときのルナは輝いていたからな」


「今まではね、技術水準がそこに達する前に挫折していく人ばかりだったの」


 ルナは天に腕を伸ばし、


「でも響が木造遊園地のことを教えてくれたからここまで来れた」


「それ以外も加勢したけどな。ライフマテリアル集めとか施設の造成とか」


「うん」


 ルナは頷く。


「さ、ゲートを開こうぜ。宣伝はしたんだろ?」


「もちろんよ。抜かりはないわ。かなり広範囲に宣伝したわ」


 ルナはテーマパークの入り口で手をかざす。


「異界の門よ。今その扉を開き、来訪者を招き入れん」


 かざした手の先から四角い光が溢れる。


 光の中から続々と人が出てくる。


 人間、エルフ、ドワーフ、リザードマン、ショートグレイ、トールグレイ、アルファ・ドラコニアン、ネイティブ・レプティリアン、アヌンナキ、シリウス、プレアデス、アルクトゥルス等々。


「おい!ちょっと待て!」


「何か?」


「何か?じゃねえよ!どこの星の方々だ!?」


 ルナはやれやれ、という感じに、


「あまねく宇宙の方々に決まってるじゃない」


「エルフやドワーフはなんだ!?」


「この宇宙は、いろんな所で繋がってるのよ」


「なんだそりゃー!」


 ルナは構わずに来客を迎える。


「あ、そこのドラゴンさん、サイズ縮めてもらえます?アトラクション、乗れないので」


 人間型以外の来客もいるようだ。


「ああ、俺の世界観が崩れていく・・・」


「感謝しなさいよ。宇宙人とコンタクトとれるって稀な事なんだから」


「宣伝、って宇宙中にか」


 ルナはウインクし、


「創世開発機構の繋がりを舐めてたわね」


 仕方ない。気は進まないけど、この機会に宇宙の方々と親睦を深めるか。


 ふと気づく。


「おい、こいつ等に日本語、っていうか地球語通じるのか?」


「何言ってるの。さっきドラゴンと会話したばかりじゃない。自動翻訳済みよ」


「すげー」


 いきなりな出来事に、ただただ圧倒されるばかりだ。


 こうしてルナ響テーマパークは開園した。

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