祝!200PV突破! 第2話 電脳世界へ

 

 俺は眉間にしわを寄せ、手を当てた。


(ディスプレイから少女が飛び出し一緒に世界を作りましょう?)


 これは一体なんのドッキリだ?

 部屋の入り口のドアを開け、外を確認する。

 特に誰かが潜んでるということはない。


「ドッキリじゃないのか・・・」


 俺は扉を閉め、部屋の中央に陣取って右手を腰に当ててポーズをとって(自分では決まってるとでも思ってるのか)いる少女に向き直る。


「えーと、ルナさん?どこから入ってきたんですか?」


「その前にあなたの名前を教えて。私は名乗ったでしょ」


「俺は神鳴響(かみなりひびき)中二です」


 そう言うと質問する。


「で、どこから部屋に入ったんです?ルナさん」


 ルナは胸を張り、 


「そこのディスプレイからよ。あと、さんは付けなくていいわ」


 響は眉間にしわを寄せ、聞く。


「どうやって?」


「こうするのよ」


 ルナと名乗った少女はディスプレイに手を突っ込む。ずぶずぶと画面に手が潜り込む。


「すげー!どんなマジックだ!?」


 響は感嘆の声を上げる。


「マジックじゃないわよ。これからあなたも入るの」


「え?マジ?」


 これは貴重な体験ができる。と、響の胸が躍る。

 響は押し入れの中をごそごそとあさると、一本のギャルゲーを取り出す。


「この『世界勇者ハーレム万歳』のソフトに入らせてください!」


 ルナは半目になると、


 ごっ!


 響の脳天にチョップをかました。


「痛っ!何すんだ!」


 頭を抱え、響が非難する。


「それはこちらのセリフよ。なんで私があなたの妄想全開なソフトに入らなければならないのよ」


「だ、だってこの白いパッケージに『ご主人様』って・・・つまりそういう事じゃないの?」


 ルナは遠い目をして、


「それは馬鹿上司が勝手に考えたのよ・・・」


「上司とかいるんだ」


 丁寧に突っ込みを入れる。


「ま、いいわ。とりあえずあなたはこの白いパッケージのソフトに入るの。ちなみに準備する時間は与えません」


 そう言うと、ルナは響の手を掴むと、ディスプレイの中に引きずり込む。


 そこは真っ白だった。


 どこまでもどこまでも続く白。


 例外は隣にいるルナだけだった。


「何にも無いね」


 響は呟く。


「これからここに、あなたが世界を作るのよ」


 俺は顎に手を当て、


「この真っ白をあなた色に染めて。ってか」


 次の瞬間!


 響は顔面に強烈な右フックを受けた。


「あごおおおおっ!」


 言葉にならない悲鳴を上げて響は倒れこむ。


「なにすんだ!」


 頬をさすりながら起き上がる響に


「あなたが下品なこと言うからよ」


 半眼のルナが告げる。

 ルナは人差し指を立て、


「いい?この世界は18禁対象外の世界だからね?守らないと色々不幸なことが降りかかるわよ?」


「そういう大事なことは早く言ってくれ」


 響はため息をつき、


「で世界を作るって、具体的にどうやんだ?」


「簡単よ。まず人差し指で宙に丸を描いて」


 響は人差し指で丸を描く。


すると百以上の項目があるコンソールが浮かび上がった。


「さあ、世界を創生するわよ」 

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