電脳世界の妄想譚

あらうさ( ´Å`)

第1章 天地創造~打倒大吾

祝!100PV突破! 第1話 始まり

 ーーー深夜0時前ーーー


俺はPCの前でじっとこの時を待っていた。


50秒前ーーー


30秒前ーーー


10秒前ーーー


そして0時ちょうど、


ぱあぁん!


クラッカーの音が鳴り響く。


「ハッピーバースデイ俺!」


 そう、今日は俺の誕生日なのだ。


なんでこんな時間に?と思うかもしれない。

しかし家族は海外に長期出張、つまり俺一人なわけだ。でもって一度は時間ちょうどに祝いたい、というか祝ってくれる奴がいない。


 だからって俺は何も困らない。

 俺は一人が好きなのだ。

 孤独を愛しているのだ。


「まあ二次元には俺の恋人がたくさんいるしな!」


 俺はおもむろに今日発売したギャルゲーを取り出し、ドライブに挿入した。

 何故エロゲーではなくギャルゲーかって?

 答えは簡単、俺が未成年だからだ。

 俺がPCを初めて購入した時にはCDドライブの音が気にかかったものだが最近は全く気にならない程度にまで進化している。


 とりあえずソフトがインストールされるまでゲームのカバーを眺める。

 カバーの表も裏も文字以外真っ白だ。

 表には一文、


『世界を作って、ご主人様』


と書いてある。


 何故こんな怪しげなソフトを買ったのか自分でも『なんとなく買ってしまった』としか言いようがないわけだが何故か気になった。


まあそこまで高い買い物でもないし気軽に画面を見るとインストールが終わっていた。


 大抵はこの辺りでソフト会社の名前がで~んと表示され、続いて軽快なミュージックが流れるもんだが、画面は真っ白のまま停止している。


「あれ?」


 俺はキーボードをタッチする。しかし全く反応しない。

 考えられるのはゲームCDに問題があるか最悪の想定はPCが壊れた可能性だ。

 俺は焦って電源ボタンに手を伸ばし再起動しようとすると、


「待ってくださーい」


 どこからかギャルの声がした。


 やばい、パニくり過ぎて幻聴まで聞こえる。

 急いで電源ボタンに触れーーー


「待てって言ってんだろーがこのー!」


 突然画面が光り出し、ディスプレイから少女が飛び出す。

 その勢いのまま少女はタックルしてきた。


 グハッ


 俺は押し倒される。


「ふう、危なかったわ」


 少女は額をぬぐう。


「危ないのはこっちだバカたれ!」


 俺は少女を撥ね退ける。

 少女はそのままひっくり返る。


「痛った~い」


「やれやれ・・・」


 俺はようやく冷静になり、少女を見やる。


 思わずはっ、と息をのむような容姿だった。

 腰まで伸びた長い銀髪に淫美なボディライン。そして何よりも特徴的なのは、その燃えるような真っ赤な瞳だった。


 俺は眉間をつまみ、


「どこから突っ込めばいいんだ・・・」


 呻く。


 少女は起き上がり、ぱんぱん、と膝をはたく。そして、


「とりあえず自己紹介させてね」

 

 こほん、と一息つき、


「私の名前はルナ。あなたと一緒に世界を創造するものよ」

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