ghost
keびん
ghost
ガチャッ「ただいま」
『遅い!』
君が帰ってくるなり私は怒鳴りつけた。
「いや~疲れた…残業しんどい…」
どうやらヘロヘロでだいぶしんどそうだった。
「もうダメ…」とか言いながら床に倒れ込んだ。
『もう…ここで寝たら風邪引くよ』
君はゆっくり体を起こして、四つん這いでハイハイしながらリビングへ向かった。
『アハハハ なんて格好してるの』
赤ちゃんにしては大きすぎる。
君のよちよち姿がツボに入った。
「さてと今日は何を作ろうかな」
君は着替えて台所に入った。
『なんでもいい』
君はよく自炊する。そこまで料理は上手くないが、鼻歌を歌いながらつくる姿を見ると、旨いとか不味いとか、どうでも良くなる。
「さてと完成~♪」
『うーん55点』
上機嫌に皿に盛り付けたが、出来栄えはまあまあだった。
君は録画してたバラエティ番組を観ながらご飯を食べ始めた。
『どう?美味しい?』
「あれ…?なんか薄味だな…」
少し渋い顔をしたが、気にせずパクパク食べる。
そんなとこも可愛いな君は。
「ワハハハハ」
テレビを観て大笑いする君。
『これそんなに面白い?』
私には良く分からなかった。でも君が笑うってことはきっと面白いのだろう。
君は食器を片付けて、お風呂に入った。
シャワーの音が聴こえる。
『早く出てきてよ』
待ってる時間は好きじゃない。
君と一緒には入れない。でも、一緒にいたい。そんな矛盾が頭の中をグルグルする。
「ふぅ」
体を拭きながら、君があがってきた。
長いよ全く。
「へぇーあいつ出世したんだ…」
頭を拭きながら、君はスマホをいじってた。
SNSでも見てるのかな。
「え!まじか…あいつ結婚したのか…」
『じゃあ私たちもする?』
半分冗談で言ったが、もちろん君には聴こえない。
机の上にスマホを置き、君はベット向かった。
「いいなぁ皆…誰か俺のことを見てくれないかな…」
そう言いながら部屋の電気を消して眠りについた。
『大丈夫…いつも見てるよ』
気の効いた言葉なんかは見つからないけど、私は君に触れられないけど、それでも私は君の隣りにいるよ。
『おやすみ』
今日も君のオデコにキスをした。
ghost keびん @momo10nanami03
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