第199話火の国
「到着!!ここが「火の国」でござるか!?行くぞ「ダブルナイツ」一番乗りは俺たちでござる!」
「待つてやんでぇ!「悪魔結社」俺たちが一番乗りするぞべらぼうめぇ!」
「あ、待ちなさいよオリバー!!」
「あははは!!ほら、フランジェシカ行こう!」
「ええ、腐腐腐。侍BLが私を待っているわ!」
「「「「リーダー待ってぇ!!」」」」
火の国に到着すると「ダブルナイツ」と「悪魔結社」はすぐに船から飛び降りて、街に消えていってしまった。「ござる」はまだしも「てやんでぇ」の使い方おかしいぞプライドは。
「ったくガキだなあいつらは。まぁこの光景を見たら仕方ないか」
「だね。時代劇でしかこんなの見たことないよ」
「火の国」は江戸時代のような平屋に着物、腰には刀といった風情のあるつくりをしていた。馬車などもなく移動は徒歩か駕籠、乗馬のようだ。砂利道を元気に走り回る子供たちは皆草履を履いて手には恐らく紙で出来た風車が握られていた。侍のような恰好をした人たちは皆丁髷である。
「ファンタジーゲームらしくはないがこれはこれでいいな」
「だね。ドン達はどうするの?僕らと一緒に散策に行く?」
「いや、俺達はもう少し船に残って船の点検をしてからゆっくり行くさ」
「何か手伝う?」
「いや、大丈夫だ。元漁師としての習慣みたいなもんだから気にしないでくれ」
「鋼鉄騎士団」はドンに付き合い船に残るので僕ら「カンパニー」はゆっくりと江戸のような街を散策することにした。
「お主ら見ない顔でござるな!?この街へ何しに来たでござる!?また海賊かでござるか!?ならば成敗してくれる!!」
「は?ちょ!?」
いきなりうるさい侍が近寄ってきたと思ったら刀を抜き斬りかかってきた。僕は反射的に剣を抜き応戦しするが敵も中々の実力者で勝負は拮抗する。
「く、中々やるでござるな海賊め!だがもうやられはしないでござる!」
「待って!僕らは海賊じゃないよ!」
「黙れ海賊!成敗いたす!宝はやらないでござ「グラウンドアイス」ぐわあああ!?」
侍の足元をエリザベスが凍らせ侍は盛大に転ぶ。しかし綺麗に転んだな。漫才みたいだ。
「く!?おのれ妖術の類か!?」
「ちょっと、だから私たちは海賊じゃないと言ってるでしょ?」
「嘘は良くないでござる!この前もそう言いながら酔っぱらった骸骨たちの海賊が襲ってきた……あれ?そう言えばお主ら骸骨じゃない?じゃあ本当に海賊じゃないでござるか?」
「いや、見てすぐにわかってよ……。どう見ても海賊じゃないでしょ」
「お馬鹿な侍さんね」
「ん。お馬鹿」
「侍が外見で敵を判断するなど、言語道断だ!」
「そうね。流石に謝ってほしいわ」
侍は僕らは眺めた後刀をかさに収めて身なりを整え始める。だがいきなり上半身裸になると腰に据えていた短い方の肩を取り出し自分の腹に押し付けようとする。
「く!まさか敵を間違え斬りかかってしまうとは!!申し訳なかった!代わりに切腹いたす!」
「いやいや!!待ってください!何もそこまで!」
「いや!間違えて斬りかかるとは武士の恥!止めないでほしいでござ「グラウンドアイス」ぐぁああ!?」
話を聞かない侍にエリザベスが再び氷で滑らせる。侍は漫才のように盛大に転んだ。なんかめんどくさい人に絡まれちゃったな。
「少しは落ち着いてくれた?」
「ああ、落ち着いたでござる。所で拙者の刀返してはくれまいか?それがないとなんだか落ち着かなくて」
「もう切腹しない?」
「分かった。切腹はしない。だから返してく売れ」
僕は侍が切腹しないように刀を取り上げてい他のを返す。侍は腰にそれをさすと身だしなみを整え綺麗なお辞儀をしてくる。
「拙者城の親方様に使える「十左エ門」と申す。以後お見知りおきを」
僕らは十左エ門に自己紹介をし、彼は僕らが流れ人だとわかると驚き再び謝罪をしてくる。どうやら海賊じゃないと理解してくれたようだ。
「それでここに来るまでに海賊に襲われなかったか?」
「ああ、襲われた、というか戦ったな」
「何と!?それでは海賊が刀を持っていなかったか?真っ黒な刀なのだが」
「ああ、これの事かな?
僕は海賊の塔で見つけた刀をさしだす。これは宝の中にあったものだが誰も鞘から剣を抜けなかった為仕方なく僕が預かることになった。というか押し付けられた。
「おお!!これは我が刀「妖刀権左衛門」!!是非それを返してくれないか!?もちろんただとは言わぬ!」
「いいよ?」
「そうか、やはりだめか。まぁ確かに……え?いいでござるか?」
「うん。十左エ門のなんでしょ?」
「なんと。なんと器のでかい!気に入ったでござる!良ければ我が親方にあってはもらえないだろうか!そこでお礼がしたい!」
ーーーーーーーーーーーーー
シークレットクエスト発生【十左エ門の想い】
十左エ門がお礼に城の親方にあってほしいと頼んできた。
以下の選択肢から返事を決めよう。
1、勿論!会ってみたい!
2、べ、別にあんたのために会ってやるんじゃないんだからね!
3、すみません、今忙しいので……
4、それより可愛い子紹介してくれません?
5、いきなりついてこいだと!?切腹だ!やっぱり切腹しろ!
6、そんな事よりそのちょんまげってどこで切ってるんです?」
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はい久々に出ましたAOLの悪ふざけ。何故ツンデレキャラになるのか。まぁ可愛い子は気になるが背後から殺気を感じるのでなしとして、切腹は却下だ。ちょんまげは確かに気になるな。
「勿論。会ってみたいな」
「おお!そうかそうか!それは助かる!出はさっそく行こうではないか!」
僕らは彼についていき、道中色々な店や街の事を聞きながら楽しく近くにあった城へ向かう。城は大きくまさに日本ならではの城の造りとなっていた。
僕らはその城の謁見の間まで案内される。
「親方様、流れ人をお連れしました」
「うむ、入れ」
障子が開かれるとそこは広い畳の部屋になっていた。奥には少し高い段差があり、すだれの奥には人影が写っていた。確かお殿様は普段人前に顔を見せなかったはずだ。恐らくあの人影はお殿様なのだろう。僕らはお殿様から5m程離れた所に座り頭を下げる。
「うむ、苦しゅうない。表をあげよ」
どうも声に違和感を感じる、女性のようにか細い声にまだ若いように聞こえた。お殿様ってもっとおじいさんがなるイメージなんだけど。
「親方様この者達が盗まれた「妖刀」を取り返してくれたでござる」
「なんと!?それはまことか!?」
「はい、それがこちらに」
「おお!それはまさしくじゃ!そちらに褒美を取らせよう!」
十左エ門が刀を差し出すと目の前に画面が浮かぶ。
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シークレットクエストクリア!
報酬
100万G
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そしてお館様が刀を手に取ろうとしたとき、勢い余って転んでしまいすだれが取れ顔が見えてしまう。
「「「「あ」」」」
「いたたた、あ。ああああああ!!」
お館様はまだ小学生くらいの少女だった。可愛らしい少女は綺麗な着物で着飾り手には扇子を持っていた。
「み、み、見たな!!童の顔を見たな!!斬首じゃ!そちらを斬首にするんじゃ十左エ門!!」
「ま、待たれよお館様!いくら何でも恩人にいきなり斬首は申し訳が立ちませぬ!せめて拙者が切腹いたす!」
「何をしている十左エ門!?切腹などよすのじゃ!斬首じゃ!」
「切腹いたす!拙者が切腹いたす!!」
二人がギャーギャー騒ぎ、僕らはもう何が何だか分からなかった。すぐに切腹したがる十左エ門とすぐに顔を見られただけで僕らを斬首にすると騒ぐお館様。僕たち帰っていいかな?
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