第68話初イベント後編
ブラックウルフの飛びついてきた下をくぐり腹を一刀両断で切り裂く。
どうやらパターンは一緒みたいだ。
しかし今回は時間がない。
ブラックウルフが着地する前に距離を詰め切る。
光剣に剛力、乱れ切りで何度も切り裂く。
HPバーは3本から一気に2本になる。
「グルルルルル。」
再びブラックウルフと向き合う。
「「「「「「うぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「あはははは!!そりゃそりゃ!!」
「・・・・は?」
「・・・・アオン?」
僕とブラックウルフは突然の叫び声に驚き横を見る。
すると男女関係なく人がこちらに飛んでくる。
まるで人間大砲だ。
ウルフたちも驚き止まって空を見上げる。
飛んでくる元を見るとアイリスが笑いながら人間を大剣に乗せぶん投げている。
・・・悪魔かお前は!!うちの妹がすみません!!
「・・・・・てててて・・。おい兄貴!!ウルフたちは足止めしといてやる!」
「・・・あぁ!だからさっさと決めちまえ!!」
「・・・・っったー・・・。そうよ!感謝しなさいよ!!」
「・・・とと。あんまり長くはもたねぇからな。」
お前らかっこよすぎだろ・・・・。
僕はボーっと人が飛んでいるところを眺めているブラックウルフに切りかかる。
「・・・・アォン!!??ギャン!!」
「・・・・はぁぁぁぁぁ!!」
乱れ切りからの乱れ切り。とにかく切り続ける。
ウルフの飛ぶ斬撃は足を振るう前に切り抑える。
ブラックウルフは距離を取ろうとするがレベル差がある。
それに僕もだてに神速といわれてはいない。
できるだけ離れず飛ぶ斬撃を打たせない。
あとは噛みつきをよければいいだけ。
ミスさえしなければ簡単なお仕事だ。
両前足で左右に攻撃してくるところを剣でさばき噛みつきを左右の足をに半歩ずつ下げながらかわし、動きを合わせて切る。
次第にブラックウルフのHPが減っていき・・・・。
「・・・・フッ!!!」
呼吸を整え全身全霊剣を盾に振り、ブラックウルフを一刀両断する。
ブラックウルフは縦に切られ、体が二つにずれ光となって消えていく・・・・。
「「「「「「いよっしゃーーー!!」」」」」」
歓声とともにウルフたちは僕らにかまわず一心不乱に森に消えていく。
・・・・ウルフだけが・・・。
「グゥゥゥゥゥゥマァァァァァ!」
森から森のクマさんが姿を現した。
と同時にクリスとエリザベス、エリーゼが馬に乗って街の方から走ってくる。
・・・・なんで馬なんか乗ってんだ?
どっから連れてきた?
というか馬乗れたんだ・・・。
「ウィル!!北門に300人ほど連れて行きなさい!!」
「・・・・へ?ッッあぶな!!」
突然のことにおどろいていた僕にアイスロックが飛ンできて顔の横を飛んでいく。
「いいから行きなさい!!アイリス!貴方は200人連れて南門に!!」
「合点招致!!200人!!私についてきて!!」
あっ逃げたな。僕がアイスロック食らいそうになるの見て・・・。
「で、でもおねぇちゃんよ。ここだってギリギリなんだ・・・ぶふっ!!??」
ハゲのおっさんの顔面にアイスロックが当たる。
容赦ないな女王様・・・。
「いい?私の声が聞こえたなら私に従いなさい!!じゃないと握りつぶすわ!!」
「「「「「「「は、はい!!!!」」」」」」」」
誰も何を?とは聞かない。
いや、聞いらその時点で握りつぶされることを悟ったんだろう・・・。
「今から門の前に集まりVの字になってもらう!!モンスターをVの字の中に入れだんだん中心に集める。モンスターは馬鹿だから必ず網の中に入ってくるわ!!」
「そしてvの中心に私たち最大火力が集まりそこで一網打尽にする。外側は何とか踏ん張ってモンスターが中心に流れるようにして!!」
「初めは神官100ずつVの外側に!!その後50ずつ残し中心に!!急いで!!」
「「「「「「「YES!!!MUMM!!!!!」」」」」」」
「300人はそこにいるウィルに続いて北門に走って!!結構まずいみたい!!」
マジか・・・。
まぁ北門が一番モンスター強いからな・・・。
僕は皆を信じて走る。
実際西門もギリギリだ。
すでに人数は半分ほどになっていた。さらに僕ら合わせて500人が抜けるとかなり苦しいだろ・・・。
いや。女王様を信じよう。
僕の中で彼女は世界一すごい人だ。
何がとは言わない。全てがだ。
北門に外から回り込むと確かに危なかった。
門の前までモンスターに押し込まれていた。
モブゴブリンにモブクモ、みすぼらしいオークまでいる・・・。
「…マジかよ…。おい兄貴!!どうする?」
走りながら振り返ると300人の先頭に先ほどアイスロックを受けたおっだんが聞いてくる。
獲物は大斧か。
「おっさん!!LVは?」
「24だ!!」
結構あるな・・。行ける。
僕は青く光る剣を掲げて叫ぶ!
「いいか!?僕たちは門の前に行かずボスをたたく!!今モンスターは門の前に集まっている。が、ボスのとこに行けば一気にこちらに来て僕らは死に戻りだ!!時間との勝負!!ボスの真横に行き最短距離、最短時間でボスをたたく!!」
「「「「「「おおーーーーー!!」」」」」」
「へへっ!!いい作戦じゃねぇか!気に入ったぜ兄貴!!」
「ありがとう!!その大きな斧が飾りじゃないことを祈るよ!!」
「へぇ!言うじゃねぇか!!俺様の斧捌きをみせてやらぁ!!」
3種類のボスの真横につく。
距離は約150m。
まだ向こうは気づいていない。
130m・・・。
110m・・・。
90m・・・。
70m・・・。
「「「グア?」」」
「気づかれたぞ!!急いで突っ込めぇ!!」
「「「「「「「おう!!!」」」」」」」
おっさんの叫びで皆ダッシュを使う。
と同時に門の前の3000近いモンスターがこちらに走ってくる。
「「「「はぁぁぁぁぁ!!」」」」」」
「「「「やぁぁぁぁあ!!」」」」」
ボスに一斉火力が当たり一気にHPバーが残り一本ずつになる。
「まずい!!来たぞ!!」
クモの足が速くすぐに僕らとぶつかる。
「ボスに30人ずつ攻撃し残りは周りを守れ!!」
「「「「「「おう!!!」」」」」」」
おっさんの指示で皆が周りを囲んだ瞬間1000近いクモの塊とみんながぶつかる。
・・・・これは長く持たない。
「ぼさっとすんな!!来るぞ!!」
おっさんの声にハッとし、振り返るとみすぼらしいオークの斧が振り下ろされる、がギリギリで横に飛びよける。
斧は勢いよく地面に刺さる。
「今だ!!!」
おっさんの合図で一斉にオークに攻撃しオークは消えていく。
「次!!」
休んでいる暇はない。周りに人達はすごい勢いでやられていく。
そして隠れ上手なクモ君の糸に大分苦戦しているようだった。
すでに3人が糸まみれになって身動きが取れなくなっていた。
周りの人間が180人くらいになった時・・・・。
「「「「「「悪魔結社登場じゃボケーーー」」」」」」
いきなり円の一カ所のから見慣れた奴らが飛び込んできた。
「兄貴!!獲物の横取りはさせねぇぞ!!」
「そうだぞ!!俺たちの獲物だぁぁ!!」
「…でもリーダーさっき泣きそうになってたよね?」
「「もうだめだぁぁぁぁ」って言ってた。」
「俺、「これ終わったら彼女を作るんだ」って聞いた。」
「それ完全に死亡フラグじゃん。」
「まーリーダー見栄っ張りだからなぁ」
「お前ら!!さっさと戦え!!」
「「「「「「すみません!兄貴!!」」」」」」
全く・・・。落ち着きのない奴らだ。
「悪魔結社」が来たことにより一気に形勢逆転。
一気にボスを倒しきる。
するとモンスターは先ほどと同じで僕らにかまわず一心不乱に逃げていく。
僕らは疲れそれをボーっと眺める。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
プレイヤーの皆様。
全てのモンスターの撃退が完了しました。
プレイヤーの皆様の勝利です。
只今をもってフェラール防衛線を終了いたします。
報酬は後日集計結果が出次第お渡しします。
お疲れさまでした。
今後ともAOLをよろしくお願いいたします。
それでは皆様。
良い人生を。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
・・・・・・・・・・・・・・・・。
「「「「「「「うぉぉぉぉぉっぉぉぉぉ!!!」」」」」」」
「「「「「「「勝ったぞぉぉぉぉぉぉ!!!」」」」」」」」」
「「「「「「「「終わったぁぁっぁぁぁ!!!」」」」」」」」
皆叫んだ。
僕も混ざって叫んだ。
お互いを誉めあった。
知らない人と抱き着きあった。
肩を組んで喜んだ。
皆とハイタッチした。
皆で喜んだ。
皆でこの瞬間を感じていた。
今最高に幸福感を感じていた。
この世界は素晴らしいと思った。
素晴らしい世界で、
素晴らしい人生だと。
皆がそう感じた。
そして僕らの初イベントは終了したのだった・・・・。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます