第51話廃教会後編
「・・・綺麗。」
「・・・素敵」
「・・・すげぇ」
「・・・ん。神秘的」
「・・・ほんとね。」
「・・・うん。天国ってこんな感じなのかしら。」
雲海の上に作られた世界。
浮遊石でできた大きな岩がいくつも浮きすべての岩の上に花畑がある。
奥の方の岩には滝が流れていた、が流れる先が雲に入り雲の水しぶきを上げている。
頭上には宇宙が広がっていた。
だが月は見えない。AOLの世界ではないのだろうかと思ってしまう・・・。
花畑には綿のような蛍が所々に飛んでいる。
神秘的という言葉がよく似合う場所だ。
皆一歩一歩静かに、この風景に見とれながら歩く。
歩くたびに足元から小さな光が出る。
しばらく小さな丘に出る。岩の端の方だ。
そこだけ光があふれていた。
皆でそこに入ると・・・・・・・・・。
「マルオーーーーーーーーー!!??」
スーパーマルオをやるフィリアがいた・・・・・・・・。
「ぐすっぐすっすまんの、マルオ。次こそは・・・・・・ん?おぉ!!ウィルじゃないか!?ちょうどよかった!!一緒にリンゴ姫を救ってくれ!!」
フィリアてを引かれゲームの前に座る。
振り返るとみんなはまだ状況を理解してないようだ・・・・・・。
再びゲームを見る。
「スーパーマルオ11」
どんだけやってんだこいつ・・・・・・。
というかリンゴ姫攫われすぎだろう・・・・。
「なぁ、またリンゴ姫クポーに攫われたのか?」
「いや!クポーはもう倒したんじゃ。しかし・・・しかし!!弟のルイーザが裏切ったんだ・・・。マルオとルイーザは仲のいい兄弟だった・・・。嵐の日も台風の日も、火の中水の中雲の中・・。時に空を飛び、時にゴーカートに乗り。しかしスーパーマルオ10でリンゴ姫を助けたと時、ルイーゼが裏切ったのじゃ!!マルオとリンゴ姫は愛し合っていた。が、ルイーゼもいつの間にかリンゴ姫に恋心を抱き、マルオに嫉妬しリンゴ姫を攫ったんじゃ!!」
フィリアは握りこぶしを作りながら語る。
「わしは悩んだ・・・・。確かにマルオとリンゴ姫は愛し合っている。しかし、しかしじゃ!!今まで無償で助けてくれ、リンゴ姫のことを考えていたルイーゼが恋心を抱いてしまうのは仕方のないことじゃ・・・。そのことを考えるとわしは手が震えうまくプレイができないんじゃ」
「フィリア・・・・。」
「ウィル。わしはどうしたら・・・・・・。」
なぜ昼ドラ展開になっているんだ・・・・・・。
というか頑張りすぎだろお前・・・・。
リンゴ姫は攫われすぎだ。
危機感を持てと言いたい。
「フィリア、あなた勘違いしているわ。」
「ぐすっ・・・。え・・・?どういうことじゃ?エリザベスよ。」
いつの間にか皆が後ろに立っていた。真剣な表情で。
「いい?今大事なことは何?リンゴ姫の気持ちじゃないの?」
「・・・・・・・・・・・うん。でも・・・・・」
「でもじゃない。大事なのはリンゴ姫の気持ち。リンゴ姫はマルオを愛している。そしてマルオもリンゴ姫を愛している。そのこと以外に大事なことって何?そんなものないわ。」
「そうよ。ウィルに聞いたわ。あなた150年もずっと戦い続けていたんでしょ?そして今もリンゴ姫の幸せを祈っているんでしょ?だったら答えは決まってるでしょ?」
「ルイーゼは自分よがりよ。本当にリンゴ姫の事が好きなら相手の幸せを考えるべきでしょ。」
「ん。女の子の気持ちが一番。」
「そーだよ!!好きどーしを邪魔するなんて最低だよ!!」
「・・・ぐすっ。うん・・・・うん・・・。そうじゃな。そうじゃな。・・わしが間違っていた・・・。ありがとう・・・。」
「いいのよ。女は恋する乙女の味方よ。」
「しかもそれを応援する女の子。素敵じゃない。」
「私たちも応援するわ。」
「ん。恋路を邪魔する男を殺そう。」
「そーだそ~だ!!ってことでいけっ!!お兄ちゃん!!」
なんで僕やねん。
女の恋に対する 姿勢が前のめりすぎて怖い・・・。
エリーゼなんて殺そうって・・・。
絶対怒らせないようにしなくちゃな・・・。
「ぐすっ・・・。ウィルよ。やってくれるか?」
「いやっ。一緒にがんばろ?」
「・・・・・・・・・!!うん!!」
いけいけっ
そこだ!!
あ、危ない・・・
ん、落ち着いて
うん、行くんだマルオー
負けるなーー
いっけーー
ん、いまよ
やっちゃえーー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「「「「「「や、やったーーーーーー」」」」」」」
うん。デジャブだね。
まぁ、無事終わったからいいか。
・・・・・ヨカッタ。キテクレタ・・・
・・・・・ホントウニキテイイカマヨッタンダ
・・・・・ホントウニキミノアイテガボクデイイノカ・・
・・・・・ワタシハアナタガイイ。アナタハ?
・・・・・ボクモ。アイシテル
・・・・・アイシテイルワ
・・・・・チュ。
END
・・・・・・・・・・。
「グス。良かったわね。」
「うん。うん!!」
「ほんと。いいエンディングね。」
「ん。これがあるべき姿。」
「ぐすっ。よかったねーマルオ!!」
「フィリア良かったな。」
「グス。・・・・・・うん!・・・うん!!良かったよ!!グス。みんなありがと。」
「なぁ。ところでフィリア・・・・・。」
「うん。大丈夫。疑問もやってほしいことも分かってる。これでも女神じゃからな。」
「まず聞きたいことから答えよう。1万年前、勇者はただの少年で世界は魔物にあふれていた。人々は混乱し人口は驚く速度で減っていった。そこで誰よりも強く、才能がある少年が一番強く願った。世界の人々を救いたいと。わしは願いをかなえ、彼の装備をわしの力で強くした。そして彼は世界を救い、勇者と呼ばれた。因みに彼の装備の現在の所在は言えない。」
ということは存在はするのか。
「うむ。そしてその指輪確かに勇者がつけていた指輪じゃ。そしておぬしらはここにたどり着いた。資格があることを認める。その指輪にも力を与えよう。」
フィリアが手をかざすとすべての指輪が光った
ーーーーーーーーーーー
未熟な指輪(AIG+2)
この指輪は所有者の力に応え進化する。
譲渡不可、破壊不可
ーーーーーーーーーーー
「人によって伸びる才能は違うじゃろう。今後の行動によってもな。それからウィル以外にも【フィリアの心の友】を渡しておこう。これを持つ者がいなければここにはこれぬからな」
「そしてその指輪は初めのチュートリアルで手に入れ、クマさんを倒したものすべてに与えられる。まぁまだ今のところウィルしかいないがの。」
「わしの称号は他にも取得方法はある。それがなければたとえ勇者の装備を手に入れたとしても扱えはしない。まぁ、おぬしらは見つけたところで使うかどうか怪しいがな。」
どういいう意味だ?
というか本当に全部答えやがった。
フィリアが初めて女神に見えた。
「さて、質問は以上みたいじゃな。レヴィは称号だけで勘弁してくれ。そういうルールなのでな。ではそろそろ時間じゃ。廃教会まで送ろう。」
僕らの体が光り始める。
「ウィル。そして「カンパニー」の皆よ。勇者の装備を探すのであれば勇者のゆかりの地へ行け。そして勇者をしりなさい。この世界は時として残酷じゃ。目に見えるものだけが真実ではなく、個人の気持ちも知らずに世界は回り続ける。じゃがおぬしの世界を、人生を作るのはお主ら自身じゃ。他の誰でもない。人生を心から楽しみなさい。人を知り、世界を知りなさい。」
「わかりました。わからないけど、とりあえず精一杯やってみます。」
「ありがとう。女神フィリア様。指輪は大事にするわ。」
「ん。またね」
「また来るね。フィリア」
「楽しかったわ。またね。」
「バイバーイ!!元気でね!!」
そして僕らの体は消えはじめ・・・・・・・・・。
「ねぇあれ!!」
TVの画面
・・・・・・・・END?
・・・・・・・ヤ、ヤッテクレタナアニジャ
・・・・・・・オマエモカ、ドウダ、キョウリョクシナイカ
・・・・・・・・クポー!・・・イイダロウ。ヤッテヤル
・・・・・・・セカイヲワレラノテニ
画面は変わり・・・・・
・・・・・・・カワイイアカチャンネ
・・・・・・・・ソウダネ。キミニニテイル
・・・・・・・・・マァ、アナタッタラ
クポーとルイーザが現れ、家を破壊し、赤ちゃんを攫って行く
NEXT
スーパーマルオDXに続く
「「「「「「あかちゃーーーーん!!!!????」」」」」」
だと思った。
もう勝手にしてくれ。
徹夜なんて年越し以来だよ。
あーー眠たい。
目を開けると廃教会についていた。
皆それぞれゲームに文句を言っていたが日はとっくに明けていたのでここでダイブアウトすることにした。
今日は土曜日。
明日はイベントだな。
しかしあのゲームいつまで続くんだ?
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