第21話初日打ち上げ
走って街に帰ったためギリギリ門が閉まる前に入れた。僕の剣が砕けてしまった為素手で戦い時間がかかってしまった為だ。
ジンオススメの落ち着いた雰囲気のカフェレストランのような所に入る。
だがまだ所持金か少ない為、各自料理一品とドリンク飲みだ。
「とりあえず、今日はお疲れさま。乾杯!」
「「「「かんぱーい!」」」」
駆け出し冒険者の服装が店の雰囲気似合わなかったのか、渋い顔で奥の個室に案内された。申し訳ないと思いつつ僕らには都合が良く、助かった。
ボス討伐メッセージは全プレイヤーに知られている為、会話聞かれたらめんどくさいことになると言うクリスとアイリスの話を聞いていたからだ。
「しっかしほんとーに倒せるとは思わなかったなぁ。」
クマさんの両腕を切り落としておいてよく言うな。
「本当ね。出会った瞬間死に戻りを覚悟したわ。」
クマさんの両目に矢を刺しといてよくある言うな。
「でもお姉ちゃん。良くあそこでお肉投げたね。」
「ふふっ、動物も男も餌を与えれば食いつくものよ。」
流石女王さまだ。言うことが違う。
アイリス、キラキラした目で見ないの。真似しちゃダメ。
「でも本当にあのエリザベスの機転がなければ僕はやられていたから本当に助かったよ。」
「そうかしら?ウィルならなんだかんだ避けちゃいそうだったけど。」
「ん。やりそう」
いやっ、あれは無理そうでした。
「本当にお兄ちゃん凄かったよ!アイリスなんかクマさんが手で攻撃しだした時から、クマさんの手が早すぎてブレて見えてたもん!!」
「私にもブレて見えたわ。あれは私には出来ない芸当ね。」
「ん?でも姉さんクマさんの手に矢を当ててたじゃん。」
「あれはウィルを狙ったのよ?また硬直を解こうと思って。でもクマさんの手が早すぎてそっちに当たったの。」
そうだったのか。
しかし僕に当たっていたら硬直は解けても攻撃を受けていただろう。運が良かったんだな。
「それにお兄ちゃん最後こうやって「ハァァァァァ!」ってやったのカッコよかった!」
「そうね。あの時すぐに抱いて欲しいって思ったもの」
「かっこよかった。抱く時は私が先ね。」
「確かにあれはかっこ良かったわよ。なんだか物語の勇者みたいだったわ。」
それぞれ褒めて(?)くれる。
今思えば凄く恥ずかしいことしてたな、僕。
「ふふっ。ウィル顔真っ赤よ。でもウィルが本当にこの世界を楽しんでくれてるみたいで安心した。」
「?安心?」
「ん。ウィルはリアルでもこっちでも私達を守ろうとしてくれて自分の事は二の次になってる。守ってくれるのは凄く嬉しいけど、私達はウィル自身がちゃんとこの世界を楽しんで欲しい。おじいちゃんもそれをのぞんでる。」
以前話した誘拐事件。
無事解決したが、僕には大きなトラウマになっていた。
目の前で僕の大事な家族の姉妹と幼馴染姉妹が攫われそうになっていた。無事助けたが僕は背中を肩から腰にかけ大きく切られ傷痕は未だに残ってる。
当時小学生だった僕にはそれがトラウマになった。
また4人が危ない目にあうかもしれない。
僕の近くでおきるなら助ける事ができる。
だがもし、気づかないうちに、近くにいない時に攫われたら?
そんな恐怖が背中の傷と共に僕の心に刻み込まれてしまったていた。
「そうだよお兄ちゃん。私達は絶対大丈夫!とは言えないけど、せめてゲームの中ではちゃんと自分第一でいてほしいな。この世界ではお兄ちゃんが主人公なんだよ?」
「そうよ。それに私達はリアルでお世話になりっぱなしなんだからせめてゲームでは私達に守らせて?」
2人がゲームを始めたのは事件後だったな。
「そう言う事。弥生が本格的に体を鍛えだしたのはあの後からでしょ?傷までおって助けてくれて、また何かあった時助けようとしてくれてる。凄く嬉しいけど、もっと自分を一番に考えてほしい。それで私達が弥生から離れていくはずないし、もう守られているだけの私達じゃないのよ。」
「そう。今度は私達が弥生助ける番。あと弥生が離れようとしても逃す気は無いから安心して。」
「そうだよ〜お兄ちゃん。もう少し自分のやりたい事をやってよ。あとユイもお兄ちゃんから一生離れる気ないから!」
「うん。尽くされるだけの女にはなりたくないの。むしろ私達は尽くしたい側なの。あと離れようとしたら今度は私達がやーちゃんを誘拐するから。」
言いたいことはあるが素直に嬉しそうで。いし、恥ずかしい。きっと彼女たちには僕の考えてることなんか全てお見通しなんだろう。
全く敵わないな。
「ありがと。ほんと4人には勝てないな。うん。でも僕は自分のやりたい事をやってるつもりだよ。僕は皆んなといるのが幸せで、体を鍛えだしたのは確かにあの後だけど、今じゃただ習慣になってるだけだし。」
「確かに気負ってた所はあったかもしれない。でも僕は爺さんの作ったこの世界をちゃんと楽しみたいと思ってる。だから安心して。」
「そっか〜なら安心だ〜!!」
このゲームがなければこんな話をしなかったかもしれないな。
ほんと爺さんには感謝してもし尽くせないな。
ふふっそうね。と4人は笑い、食事を再開する。
「でも姉さん。尽くしてくれるならもう少し家事手伝ってくれる?ユイはお風呂に入る前からリビングで服脱ぎ散らかすの禁止ね。」
「「それは出来ないわ(よ)」」
その後、2人は香織さんに説教され、少しづつ家事を手伝ってくれる事を約束した。
僕らはアイテムの分配をし、ダイブアウトした。
因みにクマさんの靴下とローブは姉さんが装備することになった。
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