第14話訓練

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クエスト【ギルドカードを手に入れろ】クリア‼︎


報酬

ギルドカード

2000G

経験値200


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画面に映るそれを閉じ広場から少し離れたベンチに4人で腰をかける。


クエスト報酬によりレベルが一上がりSP振りと先ほど貰った説明書を眺める。


HP.46

VIT.36

INT.38

CRI.35

STR.35

DEF.32

MND.30

DEX.30

AGI.40(+4)

MP.25

LUK.40


僕は素早さに4ポイント全て振った。

理由先程のギルの動き。


あんな動きが自分にも出来たらなという理由で決めた。


説明書には色々書いてあったが纏めるとこんな感じだ。


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ギルドカードは身分証。紛失し再発行する場合は10000Gかかる。


ギルドではF〜SSSまで冒険者をランク分けし、自分のランクより一つ上まで受けられる。(Fランクは12歳まで、それ以降は自動的にEになる)


ランクが上がると依頼の難易度も上がり、報酬もそれに見合ったものになる。


Cランクからは一つランクが上がる事に試験がある。


生産、商業を行う場合、商業ギルドに登録しなければならない。尚、カードはギルドカードを併用できる。


犯罪行為を犯した場合、自動的にギルドカードに記載され、全てのギルド及び騎士団に連絡が入り捕獲又は討伐対象となる。


魔物討伐数、種類、クエスト達成は自動的にギルドカードに登録される。


一定数クエスト失敗するとランクが下がり、上がりにくくなる。


街を移り、拠点を移した場合ギルドに報告しなければならない。

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ここまでがカードの説明の様だ。


便利すぎるな。このカード。

地球でもあったら犯罪件数は大幅に下がるだろう。


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全てのギルドには冒険者に役立つ簡単な書物、訓練用の場所があり誰でも利用可能。(利用料金はかかる)


全てのギルドには初心者向け講習があり、そこで戦闘訓練を行え、簡単ジョブ及びスキルを習得出来る。(一つの職業につき1000G)


案内

フェラールのの街の場合

ギルド一階はDランク以下のクエスト受付場所、食事処、総合案内所

二階、Cランク以上のクエスト受付場所

3階、図書室

B1、自由訓練所

B2、近接武器、遠距離武器、格闘術の指導場所

B3、魔法の指導場所


尚、光魔法については教会で学ぶことができる。


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「確かにこの説明を一人一人にギルドでしてたらキリがないわね。」

「ん。ギルドいい仕事してる。」


冒険者ギルドといえばあれくれ者の集まる場所のイメージがあったが意外としっかりしてる施設なのかもしれない。


「でも一々場所を報告するのはメンドーだねぇ。」

「そうね。でもきっと現在その街でどれほどの戦力があるか把握するためじゃないかしら。」

「かもね。それに僕らは街を転々とするわけだから逐一報告する必要はないんじゃないかな?滞在期間が長くなりそうな時だけすれば良いはずだよ。」


じゃないと一々報告してたらきりがない。


「そうね。拠点を移した場合とあるしそれでいいんじゃないかしら。」

「ん。賛成。」


「とりあえずギルドに行く?ジョブやスキルがなければ始まらないでしょ?」

「私は教会かな。光魔法って回復魔法でしょ?」

「そうね。ちーちゃんと離れるのは嫌だけど仕方ないかなぁ。」

「お姉ちゃん、離れる気ある?」

香織さんはいつのまにか千紗を抱きしめ頬ずりしてる。


リアルでは家の中しかベタベタしない香織さんだが、ゲームの中では違う様だ。

普段我慢していたのかもしれない。


「茶番は良いから早く行きましょ。」


姉さんの心無い一言に香織さんは舌打ちし、渋々離れる。


「それじゃまた後で。何かあったらいい連絡して?」

「ん。わかった。また後でね。」


説明書にギルドと教会までの道は記載されている。


僕らは千紗と別れて目的地に向かう。


ギルドについた僕らは香織さんとも別れB2階に行く。


「あの、講習を受けにきたのですが。」

「はい。武器と戦い方を教えてください。」


石造りの市役所のような建物の地下に外観からは考えられないほど大きな訓練場が地下にはあった。

サッカーグラウンドほどはあるだろうか?

その中にすでに何人かのプレイヤーが懸命に武器を振るっていた。


僕らはそれぞれ伝え、姉さんは弓を持っている人々の所へ、僕とユイは剣を持っている集団の所に行く。


「ん?新人君だね?僕は剣と盾の指導担当のトールだ。よろしく。

全身鎧の金髪オールバックのさわやかイケメンはどこかタクを想像させた。


「君らは両手剣だね?なら僕がおしえようかな。」

「よろしくお願いします。僕はウィル、こっちは妹のアイリスです。」

「アイリスです。お願いしまーす!!」

「ははっ。よろしくね。君たちは筋がよさそうだからすぐに習得できそうだね。」


見た目から判断したのだろうか?いや、男の僕はともかくアイリスは小柄な少女だ。というか天使だ。

そんな僕らを筋がよさそうと判断した。お世辞時かもしれないがもしかして・・・

「すみませんトールさん。もしかして僕らのステータスを?」

僕とアイリスは称号のおかげでステータス+10になっている。ほかの人より多少高いはずだ

「おっ、よく気づいたね。これは看破ってスキルで相手の名前とステータスが見えるのさ」

「へーすごっ!!ねぇそれ教えて教えて〜!!」

「じゃあ訓練後に見破った報酬に特別に教えてあげる。」

「やったー!!お兄ちゃんファインプレーだね!」


可愛い妹の頭を撫でて2人ともすこさ離れ剣を構える。


ーーーーーー

クエスト【ジョブとジョブスキルを手に入れろ】


報酬

1000G


ーーーーーー


「良し。取り敢えず素振り100回だ!」


クエストが発生し、指示を受ける。


100回って……まぁジィジにもそれくらいやらされたなと思い剣を構え直す。


ぶぉん、ぶぉん……


すぐ隣でアイリスが既に体と同じくらいある大剣を軽々と振っていた。


それってゲームだからだよね?

リアルじゃ出来ないよね?

嫌だよ?お兄ちゃんマッチョな妹は。


ダイブする前、風呂でのユイの体を思い出す。

うん。大丈夫。普通だ。

あれはゲームだから出来るんだ。


気持ちを入れ替え、僕も振る。

僕は日本刀より少し太く真っ直ぐな、いわゆる西洋の両手剣だ。

型でも振ることができるサイズ。

アイリスの件幅の半分しかない。


ひゅう、ひゅう


と小気味いい音がなる


ひゅう、ひゅう

ぶぉん、ぶぉん


無言で振り続けていると50もしないうちに


ジョブ【剣士見習い】取得

ジョブスキル【スラッシュ】取得

ーーーーーー

【ジョブとジョブスキルを手に入れろ】クエストクリア


報酬

1000g

ーーーーーー


と字が浮かぶ。

アイリスも素振りをやめている。

同じものを見ているのだろう。

先ほど払った1000Gも返ってきた。


「やっぱり僕の目に狂いはなかった様だ。君達は筋がいい。」

真っ直ぐ言われると照れる。

アイリスも隣でエヘヘーと照れている。


「さて次の段階にいこう。次は身体強化魔法だ。これは冒険者なら誰でも身につけているものだ。」


あっ終わりじゃないんだ。

でもまぁ教えて貰えるのなら是非教えて貰おう。

「まずは自分のお腹の中あたりに何か温かいものを感じないか?それが魔力だ。まずはそれを感じ、ゆっくりと体全体に広げそれを維持しろ。そうすれば身体強化魔法は身につく。」


ゲーム開始時から感じてたこれは魔力だったのか。

ゲームなのにオシッコしたくなっちゃったのかと思ったよ。


「なんだ〜魔力だったのかー!!オシッコしたくなっちゃったのかと思った!」


どうやら似た者兄妹みたいだ。


僕はゆっくり目を閉じリラックスする。

なんとなくこの方が集中できる気がした。

お腹の中でゆっくり渦を巻き球体のように回っているそれを、血液のようにゆっくり、右手、右足、左足、左手、頭の順にながす。次第にそれを全身に伸ばし、初めからこうであったかのようにそれを維持する。


スキル【身体強化魔法】習得しました。


これって目を閉じていても見えるんだな。


「やるな。ここまでとはおもなかった。さっきの約束通り2人には看破のスキルをおしえよう。」


隣を見るとアイリスがVサインをしてきた。

どうやらアイリスも出来たようだ。


「と言っても教えるのは正確には観察というスキルだ。看破スキルはその派生になる。」


つまり観察のスキルレベルを上げたら看破になるわけだ。


「この世の万物には魔力がある。特に人が思いを込めて作ったもの、強い魔物、貴重な植物や鉱物は強い魔力を発している。それをみつけ、その真実を見抜くスキルだ。レベルが上がれば名前だけでなく、そのステータス、使い方など様々なものが見えてくる。まぁ初めは不思議な感じがするがな。まさにフィリア様様のスキルだ!」


それは凄い。


「やり方は体の中にある魔力を目に多めに集めるだけだ。お前達ならすぐにできるだろう。」


直ぐに目に魔力を集めている。

すると辺り全てに白い靄のような半透明のものが漂っている。


スキル【観察】を習得しました。


目の前のドールを見ると体に強い魔力が見えた。

「お兄ちゃん目が光ってる!!」

アイリスを見ると体から微量の魔力を発し目には多くの魔力が宿っている。


パッシブスキルスキル【魔力操作】【集中】を取得しました


パッシブスキル?

「おっ、スキルを手に入れたな。ん?その顔はパッシブスキルがわからないのかな?スキルは自分でメニューでセットして使う物。パッシブスキルはセットせず使える常時発動型のスキルの事だ。」

「因みに魔力操作はその名の通り、魔力を操り、集中は魔力を集める為のスキルだ。足に集めれば「ダッシュ」というスキルが身につき普段より速く走れる。腕に集めれば「剛力」というスキルが身につき普段よりも強い力が出る。」


「それは便利ですね」

「でもこれってパッシブスキルがなくても出来ることなんじゃいの?」


確かに。アイリス鋭いツッコミだ。


「いい質問だね。まぁ論より証拠だ。メニューで先ほど取得したジョブとスキルを全てセットして剣を振ってごらん」


素直にメニューを開きすべてセットし剣を振るう。


ヒュ!

ヒュ!


先ほどより鋭い音がする。技術が上がったわけではない。何となく剣が軽く感じより正しいやり方が分かるのだ。うまく言えないがそんな気がする。それに…


「さっきより身体強化しやすい?」


「うん。そうだね。それが魔力操作の効力だ。慣れれば無意識のうちに魔力を動かせるようになる。集中も同じだ。」


「なるほどー!!便利だね!これって剣にも魔力を覆えば強くなるの?」

「面白い考えだね。だけど残念ながらそれは出来ない。身体強化は体の魔力を膨らませ、筋肉を活性化させる魔法だ。一方剣には筋肉が無い。故に強くはならない。」

「しかし剣を強くすることは出来る。魔法の種類が違うんだよ。戦闘中なら光魔法や、闇魔法がそれに当たる。生産職でも道具を作ったり直す際に様々な効果をつけることができる。っっとお話はここまでだね。混んできた。」


ゾロゾロとたくさんの人が入ってきた。

5000人揃ってしまうんじゃないかという多さだ


「なら僕らはもう行きます。色々ありがとうございました」

「ありがとうございました!!」

「いやいや。君らは優秀だったから楽だったよ。またね」


僕らはギルドを出た。


余談だが訓練所に入って直ぐタクとユリを見つけた。2人は真剣な顔で向き合っていたので喧嘩かと思い、めんどくさそうなのでほっとき、出るときも同じ姿勢のままいたので、魔力操作に苦労していたのだろう。邪魔してもあれなので僕らは話しかけなかった。


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名前 ウィル

性別 男

年齢15

誕生日2月1日


HP.56(+10)

VIT.46(+10)

INT.40(+2)

CRI.40(+5)

STR.40(+5)

DEF.40(+8)

MND.32(+2)

DEX.32(+2)

AGI.48(+8)

MP.26(+1)

LUK.32(+2)


ジョブ【見習い戦士】

サブジョブ【なし】


スキル【身体強化】【観察】【残り8枠】


パッシブスキル【魔力操作】【集中】


職業スキル【スラッシュ】



装備


見習い両手剣

見習い冒険者の服

見習い冒険者のズボン

見習い冒険者の靴


称号

【フィリアの心の友】

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