第14話

私は今日もレイラさんの家を訪れた。

「たっ、ただい「嫌だあああああ!!」

私の挨拶に被せるように聞き慣れた女性の叫び声が聞こえてきた。

「レイラさーん?どうしました?」

「あなたがシロさんね」

「どちら様ですか・・・?」

そこにはスタイルがよく少しだけ目つきの怖い女性だった。

「あっ!シロちゃん助けて~」

私を見るなりレイラさんが駆け寄ってきた。

「どういう事なんですか!?話が全く掴めないんですけど」

「私から説明しましょう。私はレイラの妹でメグミって言います」

「あ、シロです」

「自己紹介も済んだので、話に戻りますね・・・」

そう言ってメグミさんは順を追って説明してくれた。

「レイラさんが家に1度戻る、ですか?」

話によると、レイラさんの家で少しイザコザがあったらしく家族で話し合うらしい。

「私は嫌よ!どうせ帰ったら結婚しろだの言われるのが見えるもの!」

「拒否権はないと何回言えばいいんですか!シロさんからも言ってください」

「私も1度帰るべきだと思います」

「そんな!シロちゃんまで・・・」

私の言葉が響いたのか、レイラさんは諦めたようだった。

「レイラさんが帰っている間も換気とか掃除とかやっておきますから」

「本当に何から何までありがとうございます」

「いえいえ、私も好きでやっていますから」

「まったく、年下のしかも女子高生に面倒見てもらうなんてどうなんですか!?」

「メグミだって高校生じゃない」

(大学生だと思ってた・・・)

「そういうことで、準備も出来てるので私たちは行きますね」

「待ってよ、まだシロちゃんに行ってきますのチューをしてもらってないよ!」

「したことないですから」

(そもそも、いってらっしゃいをしたことがないんだけど・・・)

うじうじ言っているレイラさんの首を掴んでメグミさんは行ってしまった。

(・・・よく出来た妹さんだなぁ)

きっとレイラさんがいなくても大丈夫だろう。そう思っていた。


「へ~今日からしばらくレイラさんいないんだ」

他のみんなが用事で今日はアカリと2人で昼食だ。

「やっぱり寂しい?」

「べ、別にそこまでは・・・」

私は少し顔を顔を赤くしながら昼食を食べた。

「意外と時間が経つと寂しくなってくるんだよね、これが」

「そんなもんなのかな・・・」

「たまにはどこか寄り道して行こうよ。今日だったら大丈夫でしょ?」

「そうだね。たまにはいいよ」


「よしっ!シロどこ行きたい?」

「別に私が行きたいところじゃなくても」

「でも用事でみんな遊べなくなって、2人だからね」

「そうだね。私、美味しいもの食べたい」

「要望が曖昧だなぁ・・・。まあいいや駅前のカフェにでも行こっか」

私は連れられるがまま歩かされた。

「なんだか2人で歩いていると、デートみたいだね」

「違うから」

「私たち、カップルとかに見えるのかな」

「見えないから。帰るよ?私」

私たちは入ったカフェでしばらく談笑しながらスイーツを食べていた。

「もうこんな時間だ。そろそろ帰ろうか」

お会計を済ませて私たちは店を出た。

「もう日が落ちるの早くなったね。送っていくよ」

「別に大丈夫だよ」

するとアカリはこっちに近づいてきた。

「たまにはレイラさんだけじゃなくて、親友にも甘えなさい。私は好きで親友やってるんだから」

「ありがとう。だったらお願いしようかな」

アカリは私の腕を取ると歩き出した。

こんなにも優しくしてくれる人がいて、私も強がっていたけれど、あなたがいないこの気持ちどこに当てたらいいんでしょうか?





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