七つ星のプレアデス
みきみき
第1話
ひときわ冷たい風が、彼のむきだしの腕をなで暗い路地へ消えて行った。
あたたかい格好をした人々が行き交う大通りの隅。少年は震える膝を抱えていた。空は
まるで彼の心を示しているかのように
どんよりと曇っている。
ここに居すわって、もう何時間もたつのに彼の隣においてあるくたびれた帽子には、まだ一枚も銅貨が入っていなかった。
-日の刻までいる訳にはいかないしな…
彼は帽子を拾い上げまぶかに被り、歩き出した。
上空をペガサスが引く馬車が通りすぎていく。だが、ここ「不穏の地」に住む者にとっては関係のないものだ。彼は立ち止まって空を見上げ豪華に飾り立てられた馬車を目でおった。
少年の口から小さな舌打ちが漏れた。
七つ星のプレアデス みきみき @mimiko917
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