第11話 おばば様とその家族



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おばば様とその家族

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構えていると、こっちもそれ相当の準備してなきゃ、入れないね。

そのものの情報がいいよ。

お薦め。ぱっとね。


足を止める時っていうのが興味があると。


「どうしても、いるのかい?」


店主はそこまで言いません。


「み-ち草、み-ち草。おとおさん、ご家族の御健康の為に、これ買ってってぇ。」


「何処で思い出しますかね?」


「ぶら下げて歩けるのは、通勤バッグと決まっております。」


「おばば様、煎じて旨かろうが、昆布を広げるのは、浜でお願い。」


「み-ち草、み-ち草。」


あら、あら、おばば様、持ちやすくと、昆布を細長くし始めましたよ。


おばば様のご家族も御登場。

「皆で、長く、細長-くと巻いては並べておりますね。」


 「お-みやげ、お-みやげ。土産はいらんかな。」


「お土産、お土産って、土に産まれるって書くじゃないですか。貰った方は嬉しいし、買って行った事で、大地が増える。格好良く聞こえちゃいますけど、そういった意味もあるのかな。

なんて・・・・。」


「お土産って持ってても渡されても、どっちにしても気分はいいですし、自分の物として買う必要性のある買い物と、相手に対して考えて買った事で、喜びは2倍になりますよね。

そう思ったらお土産が増えた方が世の中HAPPYじゃないですか!?」


「それはそうだけど、HAPPYになったらHAPPYになった事で報告して欲しいよね。喜んでくれた事を受け取れるとやった甲斐があるし。」


「いつまでも、永遠に幸せに続いて欲しいと願います。

良い持続。保存していく事は大事だけど、何もあまり変わらず、時代だけが過ぎていくと、販売している方が、急いでいるのか気ままでいるのかが良くわかりませんもんね。」


「おばば様、緊急事態かもしれませんよ。人間っていろいろ知恵を振り絞って、仕事を考えるもんですよ。」


「その絞ったアイディアで、一攫千金狙い始めると、叩いて潰して落とし穴。」


「学歴社会って言うけど、人気商品として考案したその絞ったアイディアマン達が学校には行けて無かった人達だと。教育っていうのが受けたくても受けられない場合があるという事を理解しなくちゃ、ロボット社会になるしね。

独学してるのに辞めさせられたら二宮金次郎の銅像倒れるよ。

自分が出来る!と思った事を実行しているんだから評価してもいいと思う。やはり危険性を先読みした先手攻撃。意見や注意はね。

機械化が進むのも、効率が良くなるし人々の暮らしも楽になると。

安全であれば不必要だとも言い難い。

これを考え創造しているのは学んできた人間だ。」


染目木は、帰宅時にごった返す駅の人混みを歩き、大勢の人が行き交うのを見て、抜け道と寄り道が少ないと壁にもたれかかった。


「駅に抜け道ですか?迷路にしてどうするんですか?」


「茶見子くん、だって直行直帰では人間ベルトコンベアだよ。

特急の車内販売は寄り道になるからひと息つけるでしょ。車内カフェもそう。」


「リニアモーターカーだったら無重力で浮かんで泳いで食べちゃったりして。」


「まぁ、トイレや風呂が離れにあるとか、テレフォンBOXも寄り道して抜け道へと二段階楽しめる。」


「めんどくさいのがお好みなんですか?染目木さん。

めんどくさいのって見てる方が面白いんじゃ無いんですか?

連れていってくださいよ。美味しいお店。迷わずナビゲートしてくれれば、文句はないんですが。

迷路で迷って、気がついたらもう10年経ちましたよ・・・。」


「1世紀ひと昔。10年なんて最近だよ。あまり変化は無いと。」


「未来パビリオン好きですもんね、染目木さん。

でも田楽食べながら周るのはやめてください。ホッとひと息って古いじゃないですかっ。」


「昔から伝えられてる郷土料理ですよ。秘伝は偶然の熟成か。

ベースが決まっている場合、もう革命を興すしかない。

昔から全部決まっていると言うけど・・・。未来を想定して考えられたとは思えないよ。パソコンが2000年にリセットされましたよ。

私達にも協力してくれるよう要請されたんですよ。」


「誰も怒らなかったですよね。

やっぱり未来の事なんて誰も解らないんですよ。」


「100年構想ステーション。」


「染目木さん、本気で迷路作るんですか?

では私、休日に予定があるので、えーと・・ポーク&ベジタブルの餅入り煮込み作りますね。トマトベースで。」


「茶見子の手料理か?美味しそうだね。」


「はい。休日を想定して考えました。オリジナルで。1世紀後には私のメニュー残っているのか心配ですから、週明けにリセットされるんなら私のレシピはお料理BOOKとして出版しておかなければなりません。」


「それがぁ、その家庭の味なの。」



大地が増えて、いい土も出来れば、自然も栄養が十分補給され、街も都市も生き生きしてくる。


「私は、プレゼント好きだなぁ。貰って悪い気はしないよねぇ。」


「買う為に選んで、相手の事を思い出したら、まぁ、気分は楽しくなるしね。」


おとぉさん、細くも、楽しそうに、買ってましたよ。昆布。




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