一面ボスに弟子入りしました

リュウ

プロローグ

 ダンジョンの一面は通れて当たり前。

 冒険者になったばかりのあたしは、そう思っていた。

 だって、言ってしまえばそこはダンジョンの入口だ。

 入口なのだから入るためにあり、入らない事はあっても入れない事はない。

 冒険者をしている父やその関係者の話を幼い頃から聞いていた私はごく自然にそう思っていた。

 どの面が大変だったとか、どこのボスは厄介だったとかの話を聞く中で、一面が大変だったという話はまず聞いたことがない。

 寧ろ、一面はそのダンジョンの様子を見るものと父は言っていた。

 そのダンジョンはどんなものか、どんな魔物が居るのか、どんなものがあるかは一面は測る場所なのだと。

 つまり、ただの様子見であり、その先のダンジョン攻略の見立てをするための場所なので、通れて当たり前の場所だとか。

 それを聞いて育った私は、それに疑問を持たなかった。

 あの一面ボスに――ダイチさんに出会うまでは。

 

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