Sections[1] = new Team(); //そのチームができるまで

// ここまでのあらすじ

 AI研究者・技術者の嵯峨忠志さが ただしは、学会のうるさ型に嘲笑されながらもNebulAIネビュライの開発に取り組んでいた。しかし、忠志はスマートフォンにアップデートが来なくても気にしないタイプの人間であった。


 学会発表の日の夜、夜空を眺めていた忠志は、突然眩いばかりの光に包まれ、二十四世紀の世界に転移した。そこで、忠志は警察省特別警備局のホシ少佐に出会う。二十四世紀の世界では、ヒトは既に絶滅しており、人工生命体NebulAIネビュライが新人類として生活を営んでいた。


 忠志は、医療の第一人者であるハカリ医師から、NebulAIネビュライ達の間で猛威を振るう伝染病『ハリマ熱病』について知らされる。コンピューターウィルスによりNebulAIネビュライのCPUの使用率が常時百パーセントとなり、脳内の温度が上昇。セ氏五十度を超えた状態が五分以上継続すると、NNGPA(Neural Network Gel Pack Array)内のニューラルネットワークが崩壊し、死に至る。対症療法しか打つ手がなく、最終的には緊急手術で脳内に冷却管を挿入するしか方法がない。


 ハリマ熱病は二週間前から爆発的に感染が拡大し、全人口の半数である二五〇万人が感染、うち二五万人が死亡。その状況の打開策を求められ、忠志は二十一世紀の世界から時空複製器で複製されたのだった。


 しかし、忠志はまだNebulAIネビュライを完成させていなかった。時空複製器の誤差により、NebulAIネビュライ完成させる前の忠志が二十四世紀に複製されてしまったのである。しかし、NebulAIネビュライを危機から救うため、忠志は立ち上がった。


 急患の緊急手術が始まった。ハカリ医師は脳に冷却管を挿入しようとしたが、頭蓋骨に穴が開かない。過去の手術痕が原因だった。タイムリミットが迫る中、もはや打つ手はない。そこで、忠志は自ら開発者として管理者ルート権限を用いた。医師免許を持つホシに手順を指示し、CPUコアの大半を無効化し、なおかつ動作周波数を最低に設定した。これにより、脳内温度は五十度を下回り、患者の命は救われたのだった。




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