第20話魔力操作とステータス

昨晩は遅くまで起きていて――。

朝方にも偶然発生した水蒸気爆発で叩き起こされて……。

眠かった俺は昼まで爆睡してやった。


 起きて外に出るとポチとホロウが甲斐甲斐しく食事の世話をしてくれる。

ちゃんと反省はしている様だ。



「ポチもホロウも昨晩は災難だったけど、二人とも魔法が発動出来たって事の証明だから。よく頑張ったね」


 そう伝えると、ぎこちないながらも僅かに笑顔を見せた。

昼食後に標的にしていた岩場に行ってみると――。

見事に岩が爆心地から、直径2m深さ3mの穴が出来ていた。

範囲より上下方向に威力が逃げたって。

どんな魔法使おうとしていたんだか……。


 馬車に戻った俺達は、軽いミーティングを始めた。

まず、魔法の練習の時間の取り決め。

さすがに寝ている時に、あんな爆音鳴らされたら心臓に悪い。

次に……みんな一応魔法の発動を覚えたので、練習は当分魔力操作のみに限定した。

少し不満そうな顔もされたが、さすがに威力もわからず練習していたら、いつか事故で死んでしまうかも知れない。

このパーティーの強みは竜神のクロが敵から護ってくれる事にあるが――。

さすがに自爆では護りきれ無いらしい。


 当然だな。


 クロにもそう念を押された一行は、しぶしぶ承諾してくれた。

俺?俺まだ攻撃魔法の練習していないからあんま関係なくない?

そんな事で、本日は休暇となった。

決して俺が寝坊したのが原因では無い……よね?


 まずイメージで、どの程度の影響が出るのかをただひたすら思考する。

そんな事で魔力操作が出来るのかって?

大切なのがイメージ力なのだから間違っては居ない筈!

俺も重力に逆らって空に浮かぶ自分をイメージする。

スーパーマンしたり、魔法少女したり。空を飛ぶのはロマンがある!

空を飛ぶのに揚力だとか難しい事を考えてもきっと駄目だ――。

魔法は科学をも凌駕するのだから。

ベルヌーイの定理?そんな難しい話、14歳にわかる筈がない!

 げふんげふん。


 さてイメージのし過ぎで頭痛がし出したんでちょっと休憩――。

こういう時にコーヒーを飲みたいよね。

あるのかな?この世界にコーヒー。

父さんが好きだったから俺も好きになったんだっけ?

たまに海外のコーヒー農園の特番とかテレビで放送していたけど……。

あんな赤い実をつけた小粒の実が美味しいコーヒーになるとは――。

想像も出来ないよね?


そう言えば、プレヴァの実にちょっと似ているかも?まさかね。


 焚き火の周りで雑談しながらあぁじゃないこうじゃないと、

イメージの練習に余念が無い。

この娘達どれくらい強くなったのだろう?

クロなら鑑定の魔眼とか使えたりするのかな?


「使えるものもおったが我は使えんぞ?我のはあくまで経験則と魔力を感じる事だけじゃ」


そうなのか……。


じっと皆を観察する……観察する……観察する……観察する。


 「コータさん、そんなに見つめられても私を口説くのは5年早いですよ?それに私頼りない人と年下は許容範囲外ですから!」


 そんな事を可愛いアニメ声で言われた……ちょっと凹む。

なんとなく再度イアンを見つめて見たら……あ……見えちゃった。


●名前  イアン

 ・種族  人族

 ・性別  女

 ・家族  イリア(母)

 ・職業  冒険者

 ・LV  87

 ・HP  712/740

 ・MP  1556/1556


 ・得意技 インフェルノ

 ・属性 炎 土 風


 ・称号 炎の魔法師 年下キラー


「もしかしてイアンのお母さんって、イリアさんって言うの?」


突然、母親の名前を言い当てられ驚いているイアン。


 「なんでコータさんが母の名前を知っているんですか?」

「知っているというか、魔法の練習をしていたら知ったというか……」

「??」


意味不明だよね。


 「俺にはその人のレベルや適正属性、その他もろもろが、数値で分かる様になった?みたい」

「それって私の……む……胸の大きさもですか!」


目の前で、胸を隠しながら顔を赤らめてそんな事を言ってくる。


 「いや、そこまでは分から無いけど……。どの位魔法を使ったら危険だとか……後どの位攻撃を受けたら死んじゃう……とかかな?」

「なんか神殿の神官さんで、そんな能力を持っている人が居るみたいですよ?そんな感じですか?」


何が神殿の神官がそんな感じなのか分からないけど――。

そんな感じと答えといた。


試しに、他の娘達のも見てみる。


●名前  アンドレア・アルテッザ

 ・種族  人族

 ・性別  女

 ・家族  オルステッド(父)オフィーリア(母)双子(弟・妹)

 ・職業  商人

 ・LV  69

 ・HP  1022/1080

 ・MP   980/980


 ・得意技 カマイタチ 牙突

 ・属性  風 光 水


 ・称号 箱入り娘 ハリケーン娘 奴隷娘


なんだ……ハリケーン娘って……しかも一人っ子の筈じゃ?……あ……双子としか書いてないからまだお腹の中なのか!

オルステッドさんもする事はちゃんとしているんだね!


他の獣人娘も見ていこう!


●名前  ポチ

 ・種族  犬人族

 ・性別  女

 ・家族  タマ(妹)

 ・職業  コータのペット

 ・LV  78

 ・HP  1530/1530

 ・MP  640/640


 ・得意技 牙突 視線を釘付け

 ・属性  水 闇 


 ・称号  コータの視線独り占め メロンちゃん 美肌美人


ぐは……。いや、確かにあのおp○げふんげふん。

――に、視線は行くよ。

見るなって方がおかしいでしょ!メロンカップですよ!

と言うか、ポチに妹がいるのか……全滅したんじゃなかったんだな……後で個別面談しないと。


さて最後にホロウだな!


●名前  ホロ

 ・種族  狼人間

 ・性別  女

 ・家族  天涯孤独

 ・職業  コータの護衛

 ・LV  91

 ・HP  1832/1832

 ・MP  542/542


 ・得意技 牙突 縮地 変化

 ・属性  炎 雷


 称号  門番の娘 狼の姫


 なんか、意味深な文字が多いな。

名前といい、狼人間?変化?狼の姫って……。

なんか気にすると頭痛がしそうだ……。


 ちなみにフロストとクロ達、竜のステータスは見られなかった。

なんでだ?俺のLVが低いからか?

ちなみに今の所は自分のステータスも見られなかった。

鏡とか使ったら見えないかな?

何気にみんなLVが高い――。


 俺も恐らく、似たり寄ったりだと思うからLV70~90って所かな?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る