第66話 吾輩はまだ見ぬ目的地を目指し歩く
吾輩は目を覚ました。こうもりが話しかけてくる。
「旦那、お目覚めですか?」
「目覚めた」
「あら……いつもより回答が早いですね」
「考えてることがたくさんありすぎて」
「吐き出しましょう」
吾輩は考える。
書けば書くほどわかるんだが、どんだけ長い物語を想像しているのだろう。細かい会話などはその時々に考えてる部分も多いのですけど、一つ一つのシーンと話を考える。それを繋げて考える。最後のピークまでの流れを考える。
あとは書くだけ。そう書き続けるだけなのだ。
それが書いても書いても終わりが見えないどころか、どこまで書く気なんだろうと歩き続けてきてふと思うんだ。
もうすぐ八十万文字目前。
まぁ一日の空いた時間にかける文字なんて限られてるわけで若干ぶつ切りになりつつあるのだけど。それでも着々と進んではいる。進んでいるはずが遠ざかっているようにも感じる。
妄想は最短ルートなだけで細かい繋ぎの部分を省いてる感がある。
進みたい道が舗装されていないから、書きながらならしていく。
すると時間はかかる。
いくつもの話という景色を通り過ぎた先に目的地があるわけだ。そこからの景色はさぞや気持ちいいのだろうと進んでいく。
歩いてる途中で周りを見渡してみる。随分遠い所まで来たもんだな。
歩いてる最中についてくる人もいる。けど、途中で消えるものもいる。たまに滅茶苦茶ダッシュして先頭まで突っ走ってくるものも。
けどその人も吾輩を追い越すことはない。なぜなら吾輩が道を作らなければ進めないのだ。だって目的地を知らないのだから。
知っているのは自分だけ。この道がどこに続いてるか知っているのは、
ただ一人なんだ。
どこまでいけるか……どのぐらいかかるのかと、不意に恐怖が走る。
楽しく歩きたいけど着いてきている人たちはどんな顔をして見ているのだろう。自分だけが笑っているだけではないのかと、不安が襲う。
でも、進みたい。どこまでいけるんだろうと進んでいくんだろう。
終わってみなければわからないことだらけだから。
最後に見える景色もわからない。ここまで歩いたことがないから知る由もない。
多分、終わったら泣くな。うん、簡単に泣くと思う。
達成感とか諸々で脳汁がおかしいぐらいなんだろうな。最後まで着いてきてくれる人がいたらもっと号泣すると思う。
進んでる途中じゃわからないものがあるから、進みたい。
で、多分歩いてく。歩き方もわからない。行きたいところしかわからない。道の作り方もわからない。
けど、鼻歌でも歌いながら歩くんだろう。飛び跳ねたり、泣いたり、うだったり。
どんな結末が待つかもわからないけど、楽しく歩いてきたい。
だから書いて、描くんだな。
さぁ、書こう。終わりまで。
「旦那……なんかポエミーですね」
「ポエム作っちゃった……」
「おセンチですか?」
「いや、winking owlさんのtry聞いてたらなんとなく」
音楽を聴いてるとそういう感情になってしまう。やっぱ音って壮大だよね。
とりあえず、こんな感じの吾輩です。これからもよろしくです(/・ω・)/
≪つづく≫
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