第8話 会話と風景

事実は小説より奇なり

でもドラマティックな人生なんて

そうそうはないよね


上手い小説には何が必要だと思う?

それは勿論、会話と風景


じゃあ終止ハードボイルドを貫いている

一人の孤独な男はどう?


一人で事件に逢い、一人で事件を解決して

最後に一人で煙草を吸いながら

ウイスキーを煽るみたいな?


人は誰しも一人であっても独りじゃない

自己との対話?

そうさ。

じゃ対話出来なくなるぐらい

自分を殺してしまった大人は?

そんな男に物語はないね。


気付くべきなんだ

死んだ人間に出来る事は

祈りを捧げる事だけだし

死んだ人間が出来る事は

黙って見守るだけなんだと。


不変なのは生よりも死。

死ぬことは絶対で、

死んだらそれまでって事もね。


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