第6話 心の在りか、愛の形

「貴方と私は二人で一つ」


一つに成るって言う状態が

よく理解出来ない僕は聞いてみた。

「君と僕とは違う人格で」


こうするの


そう言って彼女は重ねた掌に

カッターを刺した。

二人の白い手がみるみる内に赤く染まる。

「手と手を重ね、血と血を合わせーー

心ってどこにあると思う?」


僕は重ねた彼女のつめたい手を

強く握りしめていた 。


「脳?心臓?それともどこにもない?」


「、、ここにある」


「そう、心は貴方と私の間に在るの」



床に満ちた血溜まりに

零れた涙が音を立てて跳ねた。


彼女の掌が

上にある事に気付いた僕は囁いた。

「君の優しさを感じる」


それを聞くとニッコリと微笑んでくれた。

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