俺の家に妹がやって来た

奏 音葉

初めての妹篇

第1話 神様

俺には兄妹がいない。俺の周りの奴らは全体的に兄妹がいるのだが、俺にはいないのだ。

「學!起きて」

 不意に起こされた。

 俺の名前は小野原學おのはらがく、一人っ子の高校2年生。

「凛?なに?」

 凛、松川凛まつかわりん俺の幼馴染にして、できすぎちゃんだ。

 頭脳明晰、スポーツ万能、容姿端麗、そして兄持ち。

「今、数学だよ」

 数学?そうだ!数学の教師の授業って眠くなりやすくて、寝ると怒られるという理不尽な時間だった!!

「早くノートとって」

「お、おう」

 でもあと五分で終了だぜ!

「早く!」

「おい!小野原!寝てただろ」

「寝てませんよ」

「じゃあ、これの答えは?」

「へ?えーと、あの、忘れました」

「小野原!!寝てるんじゃねぇ!」

「すみません!!ひえぇぇぇ!」



 今日は最悪な日だ。

 数学のクソ教師にめっちゃ怒られちまったから。

 こんな時、可愛い妹さえいれば、俺も幸せだったのに。

「神様!俺に可愛い可愛い妹を!!」

 自分の部屋で拝んでいると、急に机の引き出しがガタガタともの音を立てた。

「なんだ?」

 恐る恐る近寄ると、

「よいしょっと、やあ!」

「だ、誰ですか?」

「神様だよ」

「・・・・・はあ?」

 こんな金曜夕方の某人気猫型ロボットアニメみたいな登場の仕方する神様いるのか!

「今君、金曜夕方の某人気猫型ロボットアニメみたいって思っただろ」

 バレた!

「やめてくれ、こんな底辺作にアレを出すのは、某テレビ局に殺される」

「すみません」

 それにしても、なぜここに神が?

「我の名は、神庭しんばだ」

「へぇー」

「反応薄っす!普通主人公ならさ、僕の願いを叶えてくれに来たんですねみたいなテンションで乗っかるでしょ」

 こいつ、マジ生々しいリアル発言するな、本当にド〇〇もんなんじゃね?

「また考えたろアレ」

「はい」

「我は、どこ〇〇ドアとかもし〇〇ックスとか出せないから」

 詳しいな現代に。

「我がここに来たのは、君の願いを叶えるためだ」

 願い?と問う前に神庭は言った。

「君に妹をやろう」

「なに?小説〇〇なろう?」

「やめて!やめて!ここでは、やめてあげて!!」

 神のくせに冗談が通じない。

「妹をくれるんですか?」

「ああ、妹を」

「マジすか?」

 さっきまでとは違い、俺は話に乗っかる。

「本当にくれるんですか?妹」

「ああ、やる」

 そして、神庭がこう告げた。

「寝ろ」

「はあ?」

 バタンッ!ベットで眠ってしまった。




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