第7話 レストア企画 #7 初起動!

視聴回数1568回・21日前 チャンネル登録902

 

 みなさーん、KWチャンネルのカワグチでーす。今回はいよいよこの企画の山場! 骨格に電脳を載せ起動させます。

 えー、ではまず作業をしやすくするためにこちら完成した全身骨格を起こし、椅子に座らせ固定します。そうしましたら膝の上に私が通学で使用している大人用のランドセルを置きます。中には外部記憶用のメモリーがたっぷり入っています。そしていよいよ電脳を頭部に収めていきます。これは電脳の下に突き出ている突起を頭の中の穴に差し込むだけですので簡単です。

 はい、終わりました。それでは頭蓋を閉じる前に起動確認をしていきます。電源は口内の上の方、硬口蓋と呼ばれるところにあります。ちなみにパーソナルナンバーはこの電源スイッチの横に刻印されています。

 それではいよいよ世紀の瞬間がやってきました。いきますよーみなさん。

 スイッチーオーン!

 人造心臓が脈動を開始しました。これにより冷却水が送り出され、全身に循環していきます。この冷却水が赤いのは人間の血液を模しているだけでなく肉付けした際、より人間味のある質感にしてくれます。さあ、全身に冷却水がいきわたりました。そろそろ起動します。

「はじめまして。オーナー登録をします」

 やったー! しゃべりましたよ。

「オーナーになる方は右手を上げるかもしくは顔を右に向けてください」

 はい、右手を上げました。

「あなたがわたくしのオーナーで間違いありませんか?」

「はい、間違いありません」

「オーナーの顔を登録しました。それでは私の名前を決めてください」

「あなたの名前はワラビ」

「了解しました。私の名前はワラビです」

 ワラビはですね、私が以前飼ってた猫の名前です。

「ワラビ。あなたちょっと声が高いよ」

「下げますか?」

「そうして」

「あー」

「もうちょっと下げて」

「あー」

「もうちょい下げ」

「あー」

「下げすぎ。ちょい上げ」

「あー」

「OK。それでいい」

 とこんな具合に音声入力で全て初期設定をこなしていきます。そして設定が終わり問題なければ頭蓋を閉じてネジを閉めます。

 大学の研究室という限られた場所ではありますが、それではみなさん、ワラビの動く姿をご堪能ください。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る