第10話 臨死、遠雷、公衆電話2018.3.17

あれが臨死体験なのかわからない。

家路を急ぐ時に聞こえた遠雷に、夕立の気配を感じた。

偶然雨宿りに見つけた公衆電話ボックスには、小さな先客が待っていた。

何だ? 僕?

威嚇するその瞳を見た時、僕は僕を見た気がした。

その瞬間、強烈な光と音が目の前を襲い、真っ暗な世界に投げ出された。


***


真っ先に浮かんだのは、遠雷と夕立。夏の日の田舎の風景でした。公衆電話ボックスが置いてある畦道を、家路を急ぐ少年がいました。

でも、臨死が入らない。

死に臨むとしてもいいのならそういう物語もできましたが、お題ではないので、却下です。

さて、臨死というのは? どうつなげようか?

ここが一番悩みました。


真っ先に浮かんだ風景は、あまりに「生」のイメージが強く、「死」につなげるには難しい。

私の実力で、起承転結を出来る限り意識して守るには、文字数が足りません。


仕方がないので、小さな先客を入れてみました。

最初のイメージ自体は黒猫。

でも、それは何でもいいと思いました。

どこかで死んだ自分か、それに関連するイメージが今に帰ってくることで、臨死という文字につなげてみました。


ちょっと無理やり感がありますが、出来る限り三つのお題を使っていきたいなと思います。


こんな具合に、140字の物語とそれに至った経緯を書いていこうかなと思います。

お付き合いいただければ、幸いです。


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