カンサイホウカイ

すーぱーはくと

第1話 ハジマリ

 「本日は6月26日金曜日、大阪の最高気温は35℃、京都は37℃兵庫は34℃奈良は」

かちっ。ラジオを切った。天気予報が始まったってことはもう7時30分。紅茶を飲み干して洗面所に行って歯磨いて顔を洗った。鏡を見ると俺が映ってる。...今日もかっこいいな俺。学校で1番顔がかっこよくて制服似合ってる自信ある。俺の名前は淀屋少路天光《よどやしょうじてんみつ》。大阪梅田のタワマンの最上階に住んでる高校2年生。大黒高校の商業学部っていうめちゃくちゃ頭のいい高校。場所は駅から徒歩20分。

「行ってきまーす」

「はーい、気い付けて行ってらっしゃい」

「行ってらっしゃい」

両親に見送られながら家を出た。うちの両親は社長夫妻。何よりも尊敬してる。だからこんないいところに住めてる。しかもめちゃくちゃ俺のことを応援してくれてる。感謝しかない。

 30分後。学校の最寄り駅に着いた。相変わらず顔が死んでる人が多い。ただ、その中でもお楽しみもある。色んなJKが見れるっていうお楽しみが俺を待ってるんだわ。暑くなってくると女の子も一段と可愛くなるから要チェックだよな!?そう、俺は勉強熱心だが遊びにも熱心。ちなみに今現在俺には彼女がいない...。5月に別れたんだ。地元の友達で...1話目から元カノの話はキツいからやめとくか。まぁ、円満に別れたからまだいい方。

『おはよ〜』

駅で待ってると5人の男友達が来た。この男友達は同じ学園の集まり。学校終わりに色んな所でJKにナンパしたり普通に遊んだりするチーム「ごみ」のメンツだ。ちなみにリーダーは俺。理由は成績1番だから。

「今日どこ行くリーダー?」

「せやなぁ〜久々にHEPとかどない?」

『採用!』

こんな感じですぐ決まってすぐ行動する。最高だわこのチーム。

 そして、放課後。梅田のHEP FIVE前にて。

「誰行く?」

「あの金髪の子とかどないや?」

「おーええやないか」

「行ってくるわ!!」

『お気を付けて!!』

ほんとに可愛い子とかノリの良さそうな子が居たらすぐに声掛けに行く。今日は割と調子がいい。いつもなら皆冷たいのに今のところチームで3人連絡先交換してカラオケの約束も作れた。しかしナンパ軍は俺達だけでは無い。

「うわやられたでなぁ」

『おうのう』

メンツの1人が行こうとしてた女の子に他のナンパ軍が食らいついた。こういうこともあるのだ。

 ところが今日はイレギュラーだった。

「なぁ、あれヤバない?」

『え?』

メンツのひとりが指差す先を見たらちょっと離れたところでじっとスマホ見てる黒髪のJK1人をヤンキー?男子高校生4人が囲ってる。

「ちょっと行ってくるわ」

『えっ』

「あれは流石に見てられん。ここで待っとって!」

『ほいさ!!!』

「やばなったら助けてや」

ちょっとカッコつけちゃった。後戻り出来なくなったということで俺一人で囲われてるJKの近くに行った。

「無視せんといてやぁ〜」

「ほら、立っとったらしんどいやろ?俺らと一緒に休憩しよーや!!な?」

うーわこれはあかんやつ。これ周りから見たらAVの冒頭の撮影みたいな感じ。しかもくそ暑いのに特攻服?みたいなの着てる。んーお水あげようか?てかJK可愛い。背も割とあるし身体もいいし着てる制服...めちゃくちゃ頭良い高校のような?とりあえず、JK...た、助けますか。

「失礼すんでぇ!!!」

『は?』

割り込んだ。特攻隊らはビックリして俺を見てるが無視。チラッとこっちを見たJK。めちゃくちゃ美人で綺麗な顔。

「おいゴルァお前何邪魔しよんじゃ!!この子は俺らと」

「問題です」

『はい?』

「9の9乗は?」

JKに問いかけた。

「...387420489」

「正解!!はいこれあげる」

「えっ、あ、ありがと」

JKの左手にメモ用紙を握らせた。そして4人のヤンキー風高校生をそれぞれ指差した。

「ブロッコリー!さかな!イモムシ!クマ!頭文字取って...『ブさイク』!!!」

『あああ!?』

「よっしゃ!!みんな行くで!!」

『らじゃっ!!』

『おい待たんかいコラ!!!』

追いかけてくるなりヤン団。俺らチームごみは全力で逃げてさっきナンパしたJK達と一緒にカラオケに行った。

 土曜日曜と過ぎて月曜日。

「おつかれさん!!ばいば〜い!!」

『またなーー!!!』

学校を終えてチームと別れて俺は急いで家に帰って髪の毛ちゃんとセットし直してひげ剃ったか確認して香水を制服の裾と袖に降って...バチクソ身なり整えて梅田のHEPへと向かった。お、いたいた。

「お待たせ」

「おっつ〜」

そう、この前助けた黒髪ロングの制服姿のJK。あの時握らせたメモ用紙は俺の電話番号が書かれた紙だった。あの後来ると思ってなかったLINEが来て今に至る。んん〜美人、綺麗、おっぱい大きい、鼻高い、清楚...かは分からないがこりゃナンパされる訳ですわ。

 「お待たせしました。天使のカルボナーラです」

俺とJKは心斎橋の地下にあるきれいなイタリアンレストランに来た。頂きますしてから食べた。うん、美味しい。非常に美味しい。でも俺はそれよりも聞きたいことがある。

「なあ、そろそろ教えてくれてもええやろ?」

「んー?」

カルボナーラをめちゃくちゃ美味しそうに食べてるJK。

「なにをー??ああ、今履いてる革靴の値段?7万やで?」

「へぇ、確かにキレイな革靴しとる思たけど違う!」

「んなら何?出席番号?13番ですが?」

「お宅の名前を教えて欲しいんですわ」

「あ、名前かぁ〜」

そう、未だにJKの本名を知らない。LINEの名前は「そうりだいじん」。LINEで聞いたら「今度会ったら教えたる」。こんなん言ってるけど俺もまだ教えてない。ちなみに俺のLINEの名前は「ふちじ」。まぁ、別にすぐ名前は分かるんだけど...へ?すっと生徒手帳らしきものを差し出したJK。あれ?なんでJKが生徒手帳を...ん?なんか見覚えある生徒手帳だぞこれ。

「それ俺のやんけ」

「淀屋小路天光......ん?三角商店の令息さん?」

「そ、そやで?」

ピタッと止まったJK。めちゃくちゃびっくりしてる。

「そ、そうなんや...そ、そんなことあるんやな」

「大塩難波丸祇園」

「えっ!?」

JKが胸ポケットとかカバンの中を慌てて探し始めてはぁ...とため息をついた。

「あんたほんまアホちゃう?」

「そりゃどーも」

JKに生徒手帳を返した。

「ま、生徒手帳に書いとる通り、私の名前は「大塩難波丸 祇園 。かっこええやろ?」

「ご両親が森下堂の社長ってのもかっこええな」

「っ...会って二日目でそこまでやるか?」

そう、このJKの両親は超有名企業である「森下堂」の社長。最初知った時はびっくりした。なぜ知ってるかと言うと、ウチの両親とめちゃくちゃ仲が良いいから。つい最近会食してゴルフしたとか聞いたし。

「にしても大手門高校経済学部か...めっちゃ頭ええやん」

「言うてそっちも大黒高校商業学部やろ?私と一緒くらいやん」

「頭ええ同士やな」

「付き合う?」

「頂きます」

「こら」

祇園の頼んだピザを食べたら怒られた。にしてもこのJK、俺よりも遊んでそう。俺の勘がそう言ってるんだから間違いない。

 「ごちそうさまですっ♡」

「いえいえ」

食後。お腹いっぱい。楽しかった。時刻は21時。難波の方へと歩いていく。

「なあ天光君」

「下の名前で呼んでええとか言うてへんで?」

「ええやんか〜。私のこと祇園って呼んでええねんで?」

「分かりました大塩難波丸さん」

「嫌い」

ぷいっとそっぽ向く祇園。「拗ねんなよ〜」っていじったりしながら歩いて駅でお別れかーって思っていた。

 そして数十分後。

今、俺はどこにいると思う?正解は...高いところ。タワマンの最上階、億超えの部屋...高いところ。タワマンってことは誰かの家だろって?そう、祇園の家さ。元々帰るつもりだったがせっかくやからウチおいでって言われて今に至る。俺のところよりも両方高い。いや、最初はさ?嘘だと思ったよ?でも表札にも大塩難波丸って書いてあった。俺はガラス張りのお風呂で身体を流して窓際でくつろいでる。祇園は今俺の次にシャワーを浴びてる。一緒に浴びようって言ったら「は?」って冷めた目で言われた。

 「綺麗やろ」

髪を乾かして谷間丸出しのキャミソール姿の祇園が戻ってきた。

「ここは私の家の一つ。他に千里中央と京橋と渡辺橋とか...他にいっぱいあるけど大阪以外やったら京都とか神戸にもそれぞれ家あるわ。はい、どうぞ」

そんな家あるんだ...。それと同時にキンキンに冷えてるお茶が出された。美味い。美味すぎるこの麦茶。

「めっちゃ美味いこれ。どこのやつ?」

「近所のスーパーで売ってるやで」

あら、割と庶民的。俺の家は基本貰い物が多いから週、日によって味が変わる。

 「てか...なんでメッセージくれたん?」

お茶の味で忘れかけてたことをやっと聞けた。ずっと疑問だった。電話番号の書いた紙を渡して去るっていう古いやり方が成功して割とびっくりしてる。

「んー、おもろそうな人やったから?」

「あ、そんな理由なん」

「今まで私にナンパしてきた人らの中で断トツでおもろかった。あんな紙切れ渡してどっか行くっていつの時代やねんな」

笑いながらお茶が入ったグラスを持って俺の横に座った祇園。

「今日も一日お疲れ様でした〜」

「あーいえいえこちらこそ。先に頂いてます」

コツンっとグラスを当てて乾杯した。

「明日学校?」

「休み」

「んなら私と一緒やね」

「え?」

「え?」

 ...20分後。

「はっ♡あっ♡♡イっ...♡はぁっ♡♡」

1つ注意しておこう。この小説は超健全なピカピカな人が読むにはキツいかもしれないから注意しておくれ。俺は今祇園と合体してるところだ。フカフカのベッドルームで。ギシギシと音を鳴らしながら。最初は祇園が煽ってきた。「ヤれるもんならやってみい!」って。でも乳首がめちゃくちゃ弱かったためすぐに逆転した。

「ああぁっ♡♡♡」

身体を反らしてビクついた祇園。思いの外ちょろかった。どうやら勝負ありのようだ。もちろんゴムはしてる。

 ささっと祇園と一緒にシャワーを浴びてベッドに寝転がった。

...。

「(やってもたあああああ!!!)」

やってしまった。いやヤってしまった。会って2日で合体は初めてではないが久々だ。キレイな身体してていいおっぱいだったなぁ...いやあ、3回戦もしたなんて馬鹿野郎!これ親にバレたらめちゃくちゃやばくないか...?いや大丈夫、やばくないようにすればいいだけだ、おやすみ。

 そして目が覚めた。時刻は13時。外出するか家でゴロゴロするか迷う時間。あれ、祇園が居ない。どうやら外出中みたいだ。とりあえず...なんか残しておこう。広いテーブルの真ん中にメモ用紙を置いた。そのメモには「Eres malo」って書いておいた。いや、これは本当にその通り。そして家を出た。うーん、申し訳ないが難波の空気は汚い。なにかこう...無自覚な感じが凄い。




























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