旅立ちにあたって
2013年まだ倒れる前
進路が決まった卒業生から報告がありました。嬉しいものですがちょっとひっかかったとこがあります。
先生には短い間でしたが、とても刺激的でもっとはやくから教わりたかったと後悔しています…
先生みたいになれるようにこれからは効率的に生きていけるよう大学生活をしてみようと思っています( ´ ▽ ` )ノ
間違った方向(目的によっては間違ってないかもしれないが)に行くといけないので,かつて教え子だった人たちにも返信します。効率性を追求するのはほどほどに。何かを得るために効率性を追求する。確かに何かは早く確実に君たちの元にやってくる。でも,何か以外のものは手に入らない。
人生全体を見ると効率性が生きる場所ってそんなにない。受験勉強や資格試験,会社のノルマぐらいなもの。お主の未来はおそらく研究者だから効率性はあまり関係ないと思う。
ぼんやりとした何かに向かって,大いに寄り道してください。自分と関係ない分野でも,一所懸命頑張っている人にはどんどん近づいてお友達になってください。そして何が面白いのか聞いてみる。君たちが気がついていない大切なものが自分の中にあることを知る。その人の名前とともに(約束4)。そうした経験の積み重ねで,自分が本当に追求したい何かが見つかる。効率性はその後の話だ。
わしの講義を受けていると効率性の鬼みたいに思うかもしれないけど,それって寄り道の結果に得たものだ(約束1)。隙間埋めを読んでいれば分かるけど,わしゃ全然関係ない世界の人とばかりつきあっています。でも,わしの中では関係ある。一所懸命やる人の心に共通する夢,思い,挫折,克服,…その人の名前とともにそれらを自分の心に刻んで指導に活かしています。
「~はこんな風に教わったりするけど,昔こんな風に途中まで解いて,このあとどうするんですか?と質問した人がいました」授業の際必ずその疑問に触れるよ。
「料理人の~さんは,中学まで数学が得意だったんだけど,高校のここで挫折して…
」ふうむなるほど、その思い晴らさねば。
「答案添削したんですけど,~君は何人ですか!これで何を表現したいんですか?」
わしの講義は全部こんな感じだよね。だれかの一所懸命とともにある。教える内容と過去の教え子や異分野の友人の名前が一緒にあるんです。膨大な寄り道を経て効率性が追求できているんです。
皆が効率性だけに踊らないように,隙間埋めでわしの日々の寄り道,他分野で一所懸命やっている人の話を紹介しているんです。気がつかなかったでしょ。zono,Rちゃん,George,Nさん,Sさん,Iさん,Kaoriさん,…,そして親父。皆にもお馴染みだね。
大いに寄り道して,素敵な大学生活,大学院生活を送ってください。そして一生を捧げることができる目標が見つかったら,わしに教えてください。ただし,何度も言うが,飛行機が飛ぶのはみなの願いが一つになって叶うからだと思っているわしに理解できる形でね。一流の一所懸命ニストはそれは上手に自分の大切なものを表現するよ。
もう,東京にいるのか?卒業生には一回だけご馳走することになっている。お主のようにきちんと報告する者だけだけどな。zonoはもうすぐ広島に帰ってしまうので食べたかったら急いだ方がいいぞ。
◆
倒れた今でも沢山の皆様の支援をいただいています。情けは人のためならず。
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