選択する世界は

はくのすけ

プロローグ

プロローグ

この世界はあまりにも残酷だ。

私の都合などお構いなしに時が流れていく。

私がつまづいて立ち止まっても、私が耐え切れず泣き崩れても、時は何事も無かったかのように無情にも流れていく。


 この世界はあまりにも醜い。

自分の欲望の為に他人を傷つけ奪い、そして壊していく。

誰かを憎み、そしてまた、誰かに憎まれて……そんな悲しき連鎖が永遠に続く。


 この世界はあまりにも無色だ。

まるで誰かが色付けを忘れたような未完成な世界。描いては消し、描いては消していく。

その繰り返しが人を淘汰とうたする。

淘汰された人々の嘆きなどこの世界には必要ないと……


 これがこの世界の摂理せつりだと言うのならば、人はなぜ幸せを求め、あがき続けるのだろうか?


 もし、神様という奇跡のシステムがあって、この残酷な世界と、ここではないどこか別の世界をスイッチ一つで切り替えることできるならあなたならどうしますか?


 ここではないどこか別の世界に新たなる人生を求めますか?

それとも、このあまりにも残酷で醜く色のない世界を選びますか?

私は……

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